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ITEM2012 テクマトリックス ブースレポート高い技術力と信頼性をベースにした医療クラウドの新サービス「NOBORI」をアピール

2012-4-25

テクマトリックスブース

テクマトリックスブース

テクマトリックスは,2012年6月から新たに提供する医療クラウドサービス「NOBORI(のぼり)」を,大きく打ち出した展示を行った。「NOBORI」は,医療情報を外部のサーバで管理するクラウドサービスで,データセンターはソフトバンクテレコムを利用し,同社がSDSシリーズや遠隔画像診断サービス「医知悟」で培ってきたノウハウを生かして,高品質かつ信頼性の高いサービスをリーズナブルな利用料金で提供する。「NOBORI」のロゴであるカラフルなバルーンと,ソフトバンクの“お父さん犬”のマスコットがブースを彩っていた。ステージでは,「NOBORI」のコンセプトがプレゼンテーションされたほか,遠隔画像診断サービスの「医知悟」や実機によるSDSシリーズのデモンストレーションが行われた。また,ブースの一角では,(株)おといちによる,サソリ型のコンピュータワークステーション(EMPEROR)を使った読影環境が展示されていた。

●NOBORI:院内の画像サーバをクラウドに移行して高品質でコストを抑えたPACSを構築

「NOBORI」が提供するクラウドサービスの特長は,バックアップデータの外部保存ではなく,PACSのサーバ(ストレージ)をすべて外部のデータセンターに移行することだ。院内にはテクマトリックスが貸出提供する専用通信装置(NOBORI-CUBE,以下CUBE)だけを設置し,画像データの管理,保存はすべてセンター側で行う。CUBEでは,データの圧縮,暗号化などの処理を行い,分割してそれだけでは意味をなさないデータに変換した後,外部のデータセンターに送信する。データセンターはソフトバンクテレコムと提携し,多拠点多重管理(50Hz/60Hz地域分散,拠点ごとに多重化保存)で安全で信頼性の高い運用を可能にする。この運用を可能にするのが“Smart Retrieve機構”で,HISと連携して必要なデータをあらかじめクラウドから取り寄せて準備し,従来と変わらない画像の転送速度を確保する。
「NOBORI」では,CUBEの組み合わせや台数によって小規模から大規模病院までスケーラブルに対応し,PACS以外のシステムの拡張に対してもCUBEの追加で対応できる。基本のPACS機能に加えて,モバイル連携,遠隔画像診断,地域検査予約,症例データベースなどの機能を付加できる。また,CUBEはハードディスクを搭載しないため,ディスク障害などのリスクを低減できるほか,故障の際にもCUBEごと交換することで容易に対応できる。データセンター側ではテクマトリックスの拡張性や冗長性を考慮したサーバ管理技術によって,信頼性と同時にコストを抑えた運用が可能になった。
利用料は,初期投資はゼロ,クラウドに預ける容量に応じた月額定額制を予定する。テクマトリックスでは,「NOBORI」の導入によって,PACSを導入した場合の保守を含めた5年間のTCO(Total Cost of Ownership)の20%を削減できるとしている。「NOBORI」の名前の由来は,“昇雲(のぼりぐも)”からとったもので,空に昇ったあらゆる情報が,“共通知”の雲となっていずれはすべての人に恵みの雨をもたらすことをイメージし,テクマトリックスでは,将来的なビジョンとして患者個人が自分の医療・健康情報を「NOBORI」を通じて管理するPHRのような基盤への発展まで視野に入れているという。
医療システム事業部の依田佳久事業部長は,「NOBORIは,これまでSDSシリーズで培ってきた実績や,月間8万件の検査データをインターネット経由でやりとりする医知悟の運用経験と技術をベースとして,医療情報を運用する新しいサービスとして立ち上げた。クラウドサービスでは,信頼性の高い機能を継続して提供することが重要だ。テクマトリックスでは,ユーザーからのフィードバックをもとに設計検討を重ね,安価でも継続可能なビジネスモデルを構築した」とコメントした。
「NOBORI」は,6月1日からサービスを開始し,10月までに6施設での稼働を予定している。今後6年間で,さらに,希望する全ユーザーを「NOBORI」に移行する計画だという。

ブース内は至るところに「NOBORI」のロゴを配してアピール

ブース内は至るところに「NOBORI」のロゴを配してアピール

クラウドサービスのキーとなる「NOBORI-CUBE」

クラウドサービスのキーとなる「NOBORI-CUBE」

 

●医知悟:「iCOMBOX」によって遠隔読影環境を簡単に安全に構築して運用

テクマトリックスのグループ会社で,遠隔画像診断サービスを提供する「医知悟」は,現在月間で約8万検査をインターネット経由で送受信している。遠隔読影用に開発された「iCOMBOX」は,DICOMサーバ,画像ビューワ,レポートシステムなど遠隔読影に必要な機能をすべてパッケージし,依頼側では画像の圧縮,データの匿名化,レポート情報の付加などが行え,読影側では「iCOMBOX」をつなぐだけで,どこでもセキュアな読影環境を構築できる。

PACSであるSDSシリーズも「NOBORI」とあわせて紹介

PACSであるSDSシリーズも「NOBORI」とあわせて紹介

月間8万検査を扱う遠隔読影サービスの「医知悟」

月間8万検査を扱う遠隔読影サービスの「医知悟」

 

サソリをイメージしたデザインのコックピット型のワークステーション(EMPEROR)による読影環境を紹介

サソリをイメージしたデザインのコックピット型のワークステーション(EMPEROR)による読影環境を紹介

 

お問い合わせ先:
テクマトリックス株式会社
医療システム事業部医療システム営業部
E-mail medical-sales@techmatrix.co.jp
http://www.techmatrix.co.jp/solution/medical/