innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

ITEM2015 インフォコム ブースレポート放射線治療用画像ビューワ「RT Image Viewer」など,ラインナップを拡充する放射線部門システムを紹介

2015-4-24

インフォコムブース

インフォコムブース

インフォコムは,ITEM2015のブースにおいて,放射線部門システムの各製品のデモンストレーションを行った。同社の放射線部門システムとしては,PACS「iRad-IA」やRIS「iRad-RS」,レポートシステムの「iRad-RW」などの「iRad」シリーズがあるが,今回はその中でも,放射線治療用のRIS「iRad-RT」と連携して利用できる「RT Image Viewer」を新製品として紹介した。また,フィルムレス運用で欠かすことのできない検像システムとして「iRad-QA」,整形外科向けのPACSである「iRad-OT」など,PACSやRISだけでなく,施設内でDICOM画像をスムーズ,かつ効率的に運用していくためのシステムのPRが行われた。
一方で,放射線部門システム以外のソリューションにも力を入れている。今回は,地震などの災害時に,職員への緊急連絡を行い,安否を確認できるシステム「エマージェンシーコール」を披露したほか,昨年のITEMでも出品された,災害・救急医療において救急車からリアルタイムの動画像を伝送する「HiSMRT99」も展示するなど,BCPにも関連するシステムを提供し,災害時においても診療を止めることのない医療施設を支援する製品を紹介していた。(4月17日取材)

●治療装置,治療計画システムとシームレスに連携できる放射線治療専用画像ビューワのRT Image Viewer

RT Image Viewerは,iRad-RTと組み合わせて使用する放射線治療専用の画像ビューワ。同社が持つ医療画像管理のノウハウ,技術を基に開発された。DICOM RT形式の放射線治療計画システムのデータが保存できる。DICOM規格に対応していることから,幅広い治療装置や治療計画システムと接続することが可能。標準規格を採用したことにより,治療装置・治療計画システムの更新にも柔軟に連携できる。治療装置・治療計画システムのメーカーが更新前後で異なっていても,画像の表示などを容易に行える。これにより,長期間にわたってデータを保存,利用できる環境を構築することが可能である。
保存できるデータは,RT Image,RT Plan,RT Structure Set,RT Doseで,ビューワの機能としてはウインドウレベルとウインドウ幅の調整,スタック,拡大といったものがあり,さらにDVH(Dose Volume Histogram)グラフ表示やMPR表示が可能である。DVHなどのデータは,iRad-RT上の治療情報とともに確認することができる。また,iRad-RTを介することで,PACSのデータやデジタルカメラの画像,各種帳票も参照可能である。
放射線治療用RISのiRad-RTは,治療装置や治療計画システムと連携し,放射線治療に関する情報を一元管理できるシステム。ユーザーが任意に画面のレイアウトを変更できる使い勝手の良さが特長である。電子カルテシステムやPACS,RIS,レポートシステムと連携し,医療施設の規模や用途に応じたシステムを構築することが可能。特に,同社のiRad-RSとiRad-RWと合わせて導入することで,共通のサーバでデータベースを統合でき,検査から治療までの情報を管理しやすくする。システムは,日本放射線腫瘍学会(JARSTO)に準拠しており,治療記録の用語などを統一することで,多施設との比較も容易に行える。さらに,蓄積された情報を分析することで,QA,QCに結びつけることができる。

放射線治療専用画像ビューワの「RT Image Viewer」

放射線治療専用画像ビューワの「RT Image Viewer」

「iRad-RS」は,RISやレポートシステムとシームレスに連携

「iRad-RS」は,RISやレポートシステムとシームレスに連携

 

●信頼性の高いフィルムレス運用を可能にする検像システムiRad-QA

フィルムレス運用において重要となる検像業務を行うためのシステムがiRad-QAである。放射線部門の各モダリティとPACS間にiRad-QAで検像を加えることで,患者情報やオーダ内容との整合性を図り,信頼性の高い診断・治療を行うためのフィルムレス運用を可能にする。DICOMタグの編集やウインドウレベル・ウインドウ幅の調整,画像回転・反転などの修正を行える。また,検査単位,シリーズ単位での画像の結合,分割,並べ替えができるようになる。これらの編集,修正機能は,自動と手動の両方を設定できる。さらに,iRad-RSと連携することで,オーダ情報の確認や再撮影のオーダが可能である。
このiRad-QAには,利便性を高めるオプションも用意されている。オプションの「QA Anywhere」を導入することで,複数台のクライアント端末から検像作業を行うことができ,施設の運用に合わせてフレキシブルに業務の効率化を支援する。

信頼性の高いフィルムレス運用を支援する「iRad-QA」

信頼性の高いフィルムレス運用を支援する
「iRad-QA」

 

 

●豊富にインプラントのテンプレートを用意し,手術をサポートする整形外科向けPACSのiRad-OT

整形外科領域は,フィルム上で高度な計測を行うほか,長尺撮影などが多いために,フィルムレス運用に移行しにくかった。このような整形外科領域におけるフィルムレス化の課題を解決するPACSがiRad-OTである。整形外科の診療に特化してシステムとして開発されたiRad-OTは,Sharp角やFTA,Cobb角に加え,「線分上の任意の点からの垂線」といった高度な計測機能を搭載している。また,計測ツールを組み合わせた計測ガイドを作成して,ほかのユーザーと共有することも可能である。
このほか,インプラント手術向けに,主要メーカーのインプラントをテンプレートに登録しており,画像に重ね合わせて,シミュレーションを行える。このインプラントはメーカー別,部位別にリスト化され,新製品が出ると更新される。

整形外科向けPACSの「iRad-OT」

整形外科向けPACSの「iRad-OT」

「iRad-OT」は,高度な計測ツールを搭載し,術前シミュレーションも可能

「iRad-OT」は,高度な計測ツールを搭載し,
術前シミュレーションも可能

 

●医療施設のBCP対策に有効な緊急連絡/安否確認システムのエマージェンシーコール

エマージェンシーコールは,地震などの災害時に,固定電話,FAX,PC,スマートフォン,タブレットなどに安否確認などのメッセージを一斉送信し,被災状況などを確認できるBCP対策となるシステムである。利用できる情報は,安否確認,参集指示,外部からの情報収集,被災状況の確認など。通信手段は,音声,電子メール,スマートデバイス用専用アプリケーションがある。安否などの情報はシステム上で一元管理でき,モニタ上ですぐに確認できるほか,報告書の作成にも利用できる。

「エマージェンシーコール」のシステム概要

「エマージェンシーコール」のシステム概要

「エマージェンシーコール」の確認画面

「エマージェンシーコール」の確認画面

 

●お問い合わせ先
インフォコム株式会社
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル
TEL:03-6866-3790
URL:http://www.infocom.co.jp/healthcare/


東芝メディカルシステムズ

ザイオソフト