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ITEM2022 東洋メディック ブースレポート 超音波骨密度測定装置やSRS/SBRT用QAソリューションを中心に,リアルとバーチャルの展示で製品をアピール

2022-5-6

東洋メディックブース

東洋メディックブース

医療用診断・測定機器や放射線治療関連製品などを幅広く提供することで医療への貢献をめざす東洋メディックは,今回,“synergism”をコンセプトに掲げ,リアル展示とバーチャルブースを組み合わせたハイブリッド展示を行った。オンラインでの学会参加者にはバーチャルブースでの製品紹介が可能なほか,リアルの展示ブースでは,来場者が製品説明パネルに貼付されたQRコードをスマートフォンなどで読み込むことで,バーチャルブースでの詳細な製品説明を参照しながら実機を見ることができる。リアルの展示では,Echolight社(イタリア)の「超音波骨密度測定装置EchoSシステム」と,新たに取り扱いを開始したIBA Dosimetry社(ドイツ)の定位手術的照射(SRS)/体幹部定位放射線治療(SBRT)用QA(品質管理)ソリューション「myQA SRS」を中心に,多数の製品が紹介された。

●X線を用いることなく腰椎・大腿骨の高精度な骨密度測定が可能な「超音波骨密度測定装置EchoSシステム」

骨折リスク評価ツール“FRAX”を搭載した超音波骨密度測定装置EchoSシステムは,キャスター付きのスタンドに搭載され院内で使用するパネルPCタイプの「EchoStation」と,専用カートに収納し持ち運びも可能なノートPCタイプの「EchoS」,EchoStationとEchoSを組み合わせた「EchoStationモバイルハイブリッド」の3タイプが用意されている。測定には,専用のコンベックスプローブを使用し,腰椎なら約80秒,大腿骨なら約40秒走査するだけで簡単に骨密度を測定することができる。
超音波骨密度測定装置では従来,かかとを測定するものが一般的であったが,EchoSシステムでは,ガイドラインが推奨する部位の腰椎および大腿骨の測定が可能である。X線被ばくのリスクがないため,管理区域のない施設にも設置できるほか,X線検査を避けたい妊婦の検査や,移動の難しい患者に対するベッドサイドでの検査,あるいは在宅診療での検査も行うことができる。
骨密度の測定に当たりEchoSシステムが採用しているREMS(radiofrequency echographic multi-spectrometry)法は,測定したスペクトルを,年齢,性別,BMI,部位にマッチした基準スペクトルモデルと比較。測定したスペクトルを低骨密度または健常に分類してスコアを算出し,これを国内外のガイドラインで推奨されているDXA(dual energy X-ray absorptiometry)法による骨密度(DXA-BMD)との回帰式を用いて骨密度推定値(eBMD)に変換する。日本人の骨密度リファレンスカーブとカットオフ値が搭載されており,eBMDからTスコア,Zスコア,%YAMの値を算出してメディカルレポートとして出力される。
なお,2022年の診療報酬改定において,REMS法(腰椎)が骨塩定量検査の区分番号D217-2に変更となり,DXA法のすぐ下に位置づけられた。超音波骨密度測定装置EchoSシステムは,この1年に国内で十数台が出荷されるなど,順調に稼働数を増やしている。

超音波骨密度測定装置EchoSシステム

超音波骨密度測定装置EchoSシステム

 

専用のコンベックスプローブ用いて簡単に測定可能

専用のコンベックスプローブ用いて簡単に測定可能

 

腰椎のメディカルレポート

腰椎のメディカルレポート

 

●フィルムに迫る分解能と精度を有するSRS / SBRT用QAソリューション「myQA SRS」

放射線治療のQA製品としては,新たに取り扱いを開始したSRS / SBRT用QAソリューションmyQA SRSが注目を集めた。myQA SRSは,検出器アレイ,SRSファントム,検証用ソフトウエアで構成されており,デジタル検出器でありながらフィルムQAに迫る分解能と精度を有することが特長である。
従来用いられてきた電離箱や半導体検出器では,検出器と検出器の間隔が2.5mm以上空いているものが一般的で,10mm四方の照射野内の検出器は16個程度で,ピクセル間のデータギャップは線量データの内挿(補間)によって埋める必要があった。一方,myQA SRSの検出器アレイでは,独自のCMOS半導体センサを採用。0.4mm×0.4mmの検出器を10万5000ピクセル(10mm四方に600ピクセル以上)配置しているため,分解能は0.4mmであり,データギャップがなく線量データの内挿も不要である。近年,多発性脳腫瘍に対しては,複数の腫瘍に対し一度で照射を行うマルチターゲット・シングルアイソセンターのSRSがトレンドとなっている。myQA SRSの実効検出エリアサイズは120mm×140mmとほぼ全脳をカバーするため,マルチターゲット・シングルアイソセンターSRSの放射線治療計画に対しても1回の検出器セットアップで検証可能なほか,1mm以下の高分解能な測定結果が得られることでプラン検証における信頼性も高く,安心・安全な治療の実施に貢献する。また,実際の測定に当たっては,ワイヤレスセンサである“Gantry Sensor+”をガントリに貼り付けてガントリ角度を実測するため,SRSビームの入射角度に対して補正でき,正確な測定を簡便に実施することができる。
なお,myQA SRSは脳腫瘍が主なターゲットとなるが,体幹部においても120mm×140mm以下の腫瘍の放射線治療計画を幅広く検証可能である。

このほか,放射線治療関連としては,英国MIRADA Medical社の放射線治療計画支援ソフトウエア“Workflow Box”や,ModusQA社の「QUASAR Heavy Duty呼吸同期モーションプラットフォーム」,米国Sun Nuclear社の放射線治療QAプラットフォーム「SunCHECK」などが紹介された。

SRS / SBRT用QAソリューション「myQA SRS」

SRS / SBRT用QAソリューション「myQA SRS」

 

独自のCMOS半導体センサを採用した検出器アレイ

独自のCMOS半導体センサを採用した検出器アレイ

 

フィルムに迫る0.4mmの高分解能な測定結果を提供

フィルムに迫る0.4mmの高分解能な測定結果を提供

 

●お問い合わせ先
社名:東洋メディック株式会社
住所:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-8-5
TEL: 03-6825-1645
URL:https://www.toyo-medic.co.jp


キヤノンメディカルシステムズ ITEM2022