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ITEM2026 バイエル薬品 ブースレポート マルチユースな「Centargo インジェクションシステム」や線量・造影検査情報の一元管理で造影剤廃棄量などを削減,持続可能な検査環境構築に取り組む

2026-4-28

バイエル薬品ブース

バイエル薬品ブース

バイエル薬品は,「医療の未来-MIRAI-を,持続可能に」をテーマにブースを展開した。同社は,主力製品であるマルチペーシェントユースインジェクションシステム「MEDRAD Centargo CT インジェクションシステム」(以下,Centargo)について,「DO LESS. CARE MORE.」を掲げて展開し,造影剤などの廃棄量削減によるサステナビリティ向上と同時に,患者ケアへのさらなる注力などをアピールしている。今回は,新たに1台のCentargoで2室の検査をカバーする「CARE MORE. WITH ONE.」を提案した。ブースでは,5台のCentargoを中心に,Centargoとも連携可能な線量管理システム「Radimetrics」や循環器血管撮影用造影剤注入装置「Arcatena」を展示し,これらのソリューションがもたらす環境・コスト面でのメリットや患者ケアへの貢献,より良い医療の継続に向けた医療従事者への情報提供体制がアピールされた。

●1台のCentargoで2室の検査をカバーする「CARE MORE. WITH ONE.」

2023年に発売されたCentargoは,24時間連続使用が可能なデイセット(専用の消耗品)から検査ごとに必要な造影剤を注入することで,インジェクタと患者をつなぐ患者ラインを交換するだけで次の検査に移行できる。造影剤や生理食塩水を検査の都度,準備することは不要で,エアマネジメントなど従来は手動で行っていたプロセスが自動化されることで検査フローが効率化し,それをもとに患者ケアの時間を確保する「DO LESS. CARE MORE.」を提唱している。さらに,患者ライン接続時の自動エア抜きや2か所のセンサでのエアの自動検知機能を搭載するほか,患者ラインには2か所に逆流防止弁を設置し,ラインをコイル形状にすることで250cmという十分な長さながら床に垂れたり,隙間に引っかかるなどのリスクを軽減するなど,検査時の安全性が向上している。
ITEM2026のブースで特にアピールされたのは,1台のCentargoで2室の検査をカバーする「CARE MORE. WITH ONE.」である。Centargoのディスプレイを各CT室に設置しておき,Centargo本体を部屋から部屋へ移動させ,移動後の部屋のディスプレイとCentargo本体を再ペアリングすることにより,移動後の部屋で次の検査が行える。Centargo本体はコードレスで取り回しの自由度が高いため,1台のCentargoでより多くの患者の造影検査が行え,より効率的な造影検査につながる。
また,検査ごとに使用した溶液はデイセットへ自動補充され,シリンジに陰圧をかけて溶液中の溶存ガスを集めて活栓から除去し,エア混入のリスクを減少させる。これまでは,ガスの除去時に若干の造影剤も同時に排出することが避けられなかった。しかし,新たに搭載された「Slow Fill」機能により,造影剤の排出量を減量することが可能になった。

マルチペーシェントユースインジェクションシステム「MEDRAD Centargo CT」

マルチペーシェントユースインジェクションシステム
「MEDRAD Centargo CT」

 

1台のCentargoで2部屋の検査をカバーする「CARE MORE. WITH ONE.」

1台のCentargoで2部屋の検査をカバーする「CARE MORE. WITH ONE.」

 

移動したCentargoはペアリングによりスムーズに接続可能。

移動したCentargoはペアリングによりスムーズに接続可能。

 

上部のボトルやバッグから中央のデイセットに生理食塩水や造影剤が補充される。

上部のボトルやバッグから中央のデイセットに生理食塩水や造影剤が補充される。

 

接続ポートに患者ラインを接続する。患者ラインは,片手で装着・脱着できる。

接続ポートに患者ラインを接続する。患者ラインは,片手で装着・脱着できる。

 

●造影剤やプラスチックなどの廃棄量削減で環境負荷の軽減に貢献

マルチペーシェントシステムのもう一つの特長は,造影剤やプラスチック廃棄量の削減による環境負荷の軽減である。CT撮影用のヨード造影剤の主成分であるヨウ素は天然資源で,最大のヨウ素産出国であるチリでは採取に伴う環境への負荷が懸念されている。また,日本も主要産出国の一つだが,今後の採掘量は減少が見込まれている。造影剤も取り扱うバイエル社は,ヨード造影剤をはじめとする各造影剤の安定供給に注力すると同時に,持続可能な造影検査体制の重要性について発信を行っている。ブース内では,マルチペーシェントシステムや患者体格や管電圧に応じた個別化プロトコル,生理食塩水フラッシュの活用による造影剤使用量低減のほか,一部海外で実践されている余剰造影剤の回収・再利用などを紹介するパネルが掲示された。また,マルチペーシェントシステムはプラスチックなどの医療廃棄物削減も実現しており,資源の非効率的な利用をなくすだけではなく,医療施設にとっての支出削減にもつながっていることがアピールされた。

ヨード造影剤の持続可能性についてパネルで紹介

ヨード造影剤の持続可能性についてパネルで紹介

 

●線量管理システム「Radimetrics」は継続的なバージョンアップで最新の有用な機能を搭載

線量管理では,バイエル社の主力システムであるRadimetricsが紹介された。Radimetricsは,被検者ごとに累積線量を表示する患者線量トラッキング機能,実効線量計算機能,照射範囲などの変更時の線量シミュレーション機能や,ユーザごとにカスタマイズ可能なサマリーページ(統計処理)機能などを有する。さらに,CentargoやMRI用造影剤注入装置「MRXperion」,CT用注入装置「Stellant」などの同社のインジェクタと連携が行え,線量情報に加え造影検査情報を一元管理する「Total Dose Management」により,再現性の高い造影検査や安全性,リスク管理の向上などが期待できる。また,造影剤の注入条件や最大注入圧・流量などの造影検査情報を画像としてPACSに送信することで,読影時にCT・MR画像と造影検査情報を同時に参照できる。これにより,読影効率の向上につながるほか,注入プロトコルや注入条件ごとの造影効果の確認などが行える。
Radimetricsは大学病院を中心とした大規模施設で大きなシェアを占めており,同じく大規模施設を対象とするCentargoの導入促進にもつながっている。また,2014年の発売から10年以上が経過しているが,対応モダリティやインジェクタとの連携機能の追加,セキュリティ機能の強化などのバージョンアップを毎年行っており,日本導入時のバージョン「2.3」から,最新バージョンは「3.7」までアップデートされている。今後のバージョンアップでは,Centargoによる造影検査画像をRadimetricsを介してPACSに転送する機能などが搭載される予定である。

線量管理システム「Radimetrics」。Centargoと接続し,造影剤量を管理することで造影剤量の低減などを可視化できる。

線量管理システム「Radimetrics」。Centargoと接続し,造影剤量を管理することで造影剤量の低減などを可視化できる。

 

●マルチユースキットを使用可能なデュアルヘッド循環器血管撮影用インジェクタ「Arcatena」

Arcatenaは循環器血管撮影用インジェクタとして国内初のデュアルヘッド(シリンジ)を採用している。これにより,造影剤単独注入,生理食塩水のハイフローフラッシュ,造影剤と生理食塩水の同時注入が可能で,独自の流路設計(Spiral Flow Tube)により三次元のスパイラルフローを生成,造影剤と生理食塩水を効率的に混和する。ハンドスイッチをBluetooth接続によりワイヤレス化したことで術環境を清潔に保持できるほか,人間工学に基づいたデザイン設計を採用し,手打ち感覚で造影剤の注入を自在にコントロールできる。
下肢血管造影での同時注入など臨床ニーズに応じた検査を提供するほか,24時間使用可能なマルチユースキット(最大5症例まで)が使用でき,造影剤廃棄量の削減にも貢献している。また,ハンドスイッチも滅菌ずみの専用シースを取り付けることで繰り返し使用可能であり,サステナビリティに貢献している。

国内唯一のデュアルヘッド(シリンジ)タイプの循環器血管撮影用造影剤注入装置「Arcatena」

国内唯一のデュアルヘッド(シリンジ)タイプの循環器血管撮影用造影剤注入装置「Arcatena」

 

アクティブバルブを利用した流路遮断システムやエアセンサーによる流路内のエアー監視で安全な造影検査が行える。

アクティブバルブを利用した流路遮断システムやエアセンサーによる流路内のエアー監視で安全な造影検査が行える。

 

Arcatenaの無線ハンドスイッチ。造影剤注入開始ボタンを押し込む深さに応じて60段階の繊細な速度制御が可能。

Arcatenaの無線ハンドスイッチ。造影剤注入開始ボタンを押し込む深さに応じて60段階の繊細な速度制御が可能。

 

検査ごとに交換するシングルユース(左)とハンドスイッチ専用シース(右)

検査ごとに交換するシングルユース(左)とハンドスイッチ専用シース(右)

 

●画像診断にかかわる幅広い情報を提供

同社は近年,資材やWebコンテンツを通じた情報提供にも力を入れている。画像診断に関する情報サイト「Bayer in Radiology」では,製品情報に限定せず,症例の紹介や解説,検査でのポイントといった日常臨床で有用なコンテンツを紹介するほか,同社製品の導入事例に関するエキスパートへのインタビュー記事などを掲載している。ブースでは,同社の情報サイトで新たに連載開始した読影教室のコンテンツなどがアピールされた。

Webサイト上の新連載コンテンツも紹介。読影や診療に役立つ幅広い情報を入手できるため,画像内にある二次元コードを読み取り,Webサイトに是非アクセスしてほしい。

Webサイト上の新連載コンテンツも紹介。読影や診療に役立つ幅広い情報を入手できるため,画像内にある二次元コードを読み取り,Webサイトに是非アクセスしてほしい。

 

●お問い合わせ先
社名:バイエル薬品株式会社
住所:〒530-0001大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー
Mail:BYL-RAD-CS@bayer.com
URL:https://radiology.bayer.jp/