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シーメンスヘルスケア,三重大学医学部附属病院でのフォトンカウンティングCT活用事例を紹介するプレスセミナーを共催

2023-11-16

三重大学医学部附属病院に導入された「NAEOTOM Alpha」 左から,佐久間 肇氏と北川覚也氏

三重大学医学部附属病院に導入された「NAEOTOM Alpha」
左から,佐久間 肇氏と北川覚也氏

シーメンスヘルスケア(株)は2023年11月2日(木),三重大学医学部附属病院でのフォトンカウンティングCT(PCD-CT)「NAEOTOM Alpha」の活用事例を報告するプレスセミナーを,同院での現地開催およびオンラインのハイブリッド形式で共催した。NAEOTOM Alphaは,Dual Source CTシステムであり,ハーフ再構成66msの高い時間分解能と,最速73cm/sの高速撮影を実現している。フォトンカウンティング検出器によって,従来の固体シンチレーション検出器搭載CT装置(EID-CT)よりも高い空間分解能が得られるほか,被ばくやノイズを抑えた高精細画像の提供が可能であるなどの特長を有し,心臓領域における有用性が期待されている。本セミナーでは,2023年8月にNAEOTOM Alphaを導入した同院における循環器領域での診断事例などが紹介された。また,セミナー修了後には,同院にて実機見学会が行われた。

セミナーの冒頭,同社ダイアグノスティックイメージング事業本部長兼営業統括本部長の桜井悟郎氏が挨拶に立ち,NAEOTOM Alphaは日本国内での販売開始から約1年が経過し国内での導入例が増加する中,PCD-CTは特に循環器領域におけるベネフィットが大きいことが多くの研究などで明らかになりつつあると述べた。

続いて,同大学大学院医学系研究科放射線医学教室教授の佐久間 肇氏が,「心不全パンデミックとフォトンカウンティングCTによる次世代心臓CTイメージング」と題して講演した。心不全パンデミックと言える状況下においては,虚血性心疾患の早期診断が重要であるが,EID-CTによる冠動脈CTAでは冠動脈狭窄を高精度に描出するには空間分解能が不十分であると指摘。その上で,今年発表されたBluemkeらの論文〔Radiology, 307(3) : e230160, 2023.〕を挙げ,心臓CTにおいて,2040年までには分解能に優れたPCD-CTがEID-CTを置き換えると結論づけられていると紹介した。また,同院で撮影したPCD-CTによる冠動脈CTAの画像を提示し,それぞれの分枝が今までにない精度で細かく描出されていると評価した。

次に,同社ダイアグノスティックイメージング事業本部CT事業部プロダクトマネージャーの田中秀和氏が,「NAEOTOM Alpha概要について」と題して講演した。PCD-CTでは,鼓膜や毛髪などの微小な構造物の描出が可能になるほか,超高速高分解能スペクトラルイメージングによって造影剤の大幅な低減も可能になるとし,それらを実現する原理を紹介した。

最後に,同大学みえの未来図共創機構地域共創展開センター教授の北川覚也氏が,「三重大学医学部附属病院におけるフォトンカウンティングCT活用事例」と題し,EID-CTとPCD-CTの画像を比較しながら講演した。まず,PCD-CTでは,EID-CTの約10倍の空間解像度が得られると述べ,その利点を臨床で最大限に生かす上で特に重要なのが冠動脈の診断であると強調した。また,PCD-CTに期待されていることの一つとして,冠動脈ステントの描出を挙げ,PCD-CTではステントの編み目がきわめて詳細に描出できると述べた。なお,同院では,PCD-CTの超高解像度画像を院内すべての電子カルテ端末で参照可能としており,これは世界初の試みであることが紹介された。

三重大学医学部附属病院で撮影されたNAEOTOM Alphaによる超高精細冠動脈CTA

三重大学医学部附属病院で撮影されたNAEOTOM Alphaによる超高精細冠動脈CTA

 

●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
TEL 03-3493-7500
https://www.siemens-healthineers.com/jp/

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