バイエル ソリューションレポート

2026年1月号

済生会横浜市東部病院 高検査数施設がCentargoを選んだ理由 インジェクタ選定の発想が変わる!

地域の三次救急として年間約8,000の救急車を受け入れている済生会横浜市東部病院(562床)は、年間のCT検査数(患者ベース)が約3万件(造影率55%)に迫る高検査数施設である(図1)。
今回、CentargoCTインジェクションシステム(バイエル薬品社製)が導入された背景と運用の実際について、稲垣直之先生(放射線部係長)、藤森章史先生(放射線部主任)にインタビューした。

放射線部CT担当の皆様

放射線部CT担当の皆様

 

装置一覧

 

図1 当院のCT検査実績(2024年) 造影率は55%、生食後押し検査は造影検査の45%に実施している

図1 当院のCT検査実績(2024年)
造影率は55%、生食後押し検査は造影検査の45%に実施している

 

放射線部 係長 稲垣 直之 先生

放射線部 係長
稲垣 直之 先生

放射線部 主任 藤森 章史 先生

放射線部 主任
藤森 章史 先生

 

急性期・がん診療患者にも積極的に生食の後押しを実施する

当院では、診療放射線技師(技師)だけではなく病院経営側においても、新しい機器を積極的に導入して、職員の満足度や充実度を上げていくという方針が基盤にある。
そのため、神奈川県内で最初にCentargoを導入した施設だが、実は、ハイブリッドERも神奈川初導入(2ルーム型ハイブリッドERとしては東日本初)した施設である。
積極的に導入した機器を有効活用するために「みんなで頑張っていこう」という土壌があり、「新しいものを使っていこう、使いこなしていこう」という意識の高いスタッフが多く、新しいインジェクタを導入する際の不安も少ない。
しかしながら、当院は高検査施設であり、かつ造影CT検査の割合も高く、さらに生食の後押しについても積極的に急性期・がん診療患者などの造影CT検査に実施している。また、テストボーラストラッキング法を心臓CTや頭部CTAの撮影(月/200件程度)にも実施しており、生食シリンジを準備する機会も多い。
そのため、スタッフに相当な負担をかけている。
インジェクタの更新時に、この手間のかかる作業を改善したいと思っていたところCentargoの情報を得て、これは業務の効率化を“一歩” 進める機会になると感じた。さらにタイミングよくCT装置やワークステーションの更新時期とも重なったことから、病院経営側や看護師とマルチペーシェント型CTインジェクタの導入についての意見交換を行いCentargoの導入が実現した。

人だけに頼らない、最新機能を利用した安全性の向上

シリンジ製剤を用いる場合は、使用するたびにエアが入らないように気を付けながら生食を空シリンジに充填し、造影剤シリンジと共にデュアルの耐圧チューブと接続する。
さらにインジェクタにセットした後にもエア抜きをするため、都度、集中と労力が必要であり、作業時間も要していた。
Centargoは、自動でエア抜きをしながら本体内部にセットしたデイセットに生食を充填するため、従来のインジェクタと比べて、検査ごとに手作業で行っていた生食シリンジの準備が不要になり、作業時間と労力を低減することができる(図2)。
導入後は、造影剤量をできる限り少なくしたり、逆に多くしたりする特殊検査の多い〔CT-2〕部屋に設置しCentargoの製品価値を最大化している。
Centargoの導入は2025年6月であるが、それでも2025年の〔CT-2〕の年間造影検査数は、7,600件(+1,881件)となる見込みである(図3)。
また、〔CT-2〕では基本、全例に生食の後押しを実施しているため、生食の後押し検査の75%は〔CT-2〕で実施することになる(図4)。
従来から生食の後押しを必ず実施していた検査も必然的に〔CT-2〕に集まるため、これまでは、病院の持ち出しとなっていた生食用シリンジやデュアルチューブなどの消耗品が必要なくなり、コスト削減にも貢献している。
業務効率が改善したことは、CT検査に従事している看護師から好評を得ている(図5)。
実際、Centargoを導入したことで、新しい手順を覚える必要があるが、やはり効率化という点で、技師以上に看護師がCentargoのメリットを感じている。

図2 造影CT検査のワークフロー(Centargo導入前後の比較)

図2 造影CT検査のワークフロー(Centargo導入前後の比較)

 

図3 検査室別造影CT検査数

図3 検査室別造影CT検査数

 

図4 検査室別生食使用検査数(2024年実績 vs. 2025年予測)

図4 検査室別生食使用検査数(2024年実績 vs. 2025年予測)

 

図5 Centargo導入後に実施した、看護師業務の変化に関する意識調査

図5 Centargo導入後に実施した、看護師業務の変化に関する意識調査

 

新しい発想! 全ての検査を1種類の造影剤で実施

Centargoには造影剤と生食を同時注入する機能が備わっており、低管電圧撮影時の画質向上や、造影剤投与量の低減が期待できる。
また、撮影方法によってシリンジ製剤を選択する必要がないため、どんな患者でも「この製剤を使おう」とか「このサイズでいいのか」ということを考える手間が省ける。

インジェクタ選定の発想が変わる〔CT用インジェクタ ≠ 天吊り〕

既存の天吊型インジェクタでは、患者状態(上肢挙上の有無等)や点滴等の附属物の状況に応じて、動かすことができるが、天吊型点滴棒等に干渉したり、最悪CTガントリの「緊急停止スイッチ」に接触する危険も少なくない。
重症患者になればなるほど、点滴類等が増えるので、干渉して検査遅延に繋がったり、検査トラブルが生じる可能性がある。実際、当院のハイブリッドERのインジェクタは、天吊型ではなく据置型を採用している。
Centargoの本体は動かしやすいので、いろいろな装置、例えばECMO(体外式膜型人工肺)や、IABP(大動脈内バルーンパンピング)などを装着している重症患者においても、ある程度フレキシブルに配置を変えることができるので使いやすい。
従来の天吊型を中心とした機種選定の発想を変える気づきとなり、救急診療などでより高いニーズとなるのではないかと思っている。

安全や効率をスタッフの力だけでなく仕組みでも強化

Centargoを知る前は、シリンジ製剤で何の問題もないと思っていたが、業務の効率化という課題に向き合うことで新機種を積極的に導入することになった。
今回の機会を逃せばCentargoを使用する機会を失っていた可能性がある。
実際、使用してみると、はじめは惑いもあったが、技師も含めて看護師の業務も改善され満足している。
もし今、Centargoの導入に迷いがあるとか、今後、使用してみたいという施設があれば、実際の運用方法や、スタッフ、看護師、そして事務方からも意見を聞くことができるので、ぜひ当院へ見学に来て欲しい。

(2025年11月4日取材)

済生会横浜市東部病院

 

インタビュー動画はこちらから

 

管理医療機器 / 多相電動式造影剤注入装置
販売名 / Centargo CTインジェクションシステム
認証番号 / 302AABZX00091000

管理医療機器 / 造影剤用輸液セット
販売名 / Centargo ディスポーザブルセット
認証番号 / 303AABZX00003000

 

【製品に関する問い合わせ先】
バイエル薬品株式会社 ラジオロジー事業部
TEL 0120-609-040
https://radiology.bayer.jp/

 

PP-M-CEN-JP-0536-25-11

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