日本の医療被ばくを半減させたい! 
綱川  智(東芝メディカルシステムズ株式会社代表取締役社長)

2013-10-25


綱川  智(東芝メディカルシステムズ株式会社代表取締役社長)

Global Standard CT Symposiumは今回で3回目を迎えます。これまで本シンポジウムでは,実用的な低線量撮影技術を開発し,すべてのCTに標準搭載すること,1回転のボリュームスキャンで被ばく低減を実現する320列ADCT「Aquilion ONE」シリーズを次世代CTのスタンダードとして普及させることの2つを約束させていただきました。今回は,この2点について現況をご報告いたします。

すべてのCTにAIDR 3Dを標準搭載

2012年7月,東芝は,すべてのCTの現行販売機種にAIDR 3Dを有料オプションではなく標準で搭載しました。320列ADCT「Aquilion ONE」シリーズをはじめ,80列,64列,16列,4列のマルチスライスCT,およびラージボアCTに至る全機種が対象です。AIDR 3Dが搭載された国内のCT稼働台数は1300台にのぼり,日本全体のCT稼働台数の約1/8に相当します。また,すでに国内で稼働しているAIDR 3Dを搭載可能なCT 145台のすべてに,2013年2月,AIDR 3Dをインストールし,アップグレードが完了しました。東芝は,国内のリーディングカンパニーとして,AIDR 3Dの搭載と320列ADCT「Aquilion ONE」シリーズの普及により,日本の医療被ばくを一気に半減したいと考えています。

次世代CTの世界標準をめざすAquilion ONE

次世代CTの世界標準をめざす320列ADCT「Aquilion ONE」シリーズは2013年現在,0.35秒回転のGlobal Standard Editionと,0.275秒回転のViSION Editionを合わせて全世界で720台が稼働しており,国内はその32%にあたる230台になります。

進化する320列ADCT ─次世代の被ばく低減技術も開発中─

2013年7月,1回転0.35秒の320列ADCT「Aquilion ONE/Global Standard Edition」が,ViSION Editionと同じ第2世代のプラットフォームとなりました。開口径が780mmのワイドボアとなり,IVR-CTへの応用にも対応し,将来的に0.275秒回転のViSION Editionへのアップグレードが可能です。ViSION Edition に加えてGlobal Standard Editionの新モデルの投入により,第2世代のAquilion ONEは,2つのモデルがラインナップされました。これにより,さらに幅広いシーンで,高速・高画質・低被ばくを実現する次世代のスタンダードCTとして普及させていきたいと考えています。
また,低被ばく撮影によるさらなる臨床への貢献として,Aquilion ONEを軸として,次世代の逐次近似再構成“Full Iterative Recon(Full IR)”の開発を進めていますので期待していただきたいと思います。

日本におけるCTの医療被ばくを一気に半減させたい!という強い決意は, “患者さんのために,あなたのために,そして,ともに歩むために。”という東芝のスローガン「Made for Life」に通じています。これからも東芝は,医療にかかわるすべての方々に真に役立つ技術と製品を提供する努力を続けていくことをお約束します。

Aquilion ONEの国内外における導入推移

Aquilion ONEの国内外における導入推移

 

第2世代320列ADCTのラインナップ

第2世代320列ADCTのラインナップ


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