高精細化とさらなる被ばく低減に向けた新たなグローバルスタンダードCTの普及をめざして 
瀧口 登志夫(キヤノンメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

2022-11-25


瀧口 登志夫(キヤノンメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

320列Area Detector CT(ADCT)「Aquilion ONE」をグローバルスタンダードCTとして普及させ,新たに切り開かれる臨床知見を共有いただくとともに,国内CT医療被ばく半減プロジェクトを推進し,その進捗の報告を主な目的とした「Global Standard CT Symposium」は,2021年で10回目を迎えました。11回目となる今回からは今後10年を見据え,新たなグローバルスタンダードCTとして「画像の高精細化とさらなる被ばく低減に向けた取り組み」をテーマに掲げてまいります。

当社は“Altivity”の名の下に人工知能(AI)による技術開発に取り組んでおり,第一弾としてDeep Learning再構成“Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)”を製品化し,CT,MRI,PET-CTへの搭載を進めています。 2022年7月現在で国内導入は864台となっており,引き続きCT検査の被ばく低減と画質向上のために普及を推進していきます。また,グローバルスタンダードCTの新たなテーマである高精細化を実現する高精細CT「Aquilion Precision」は,2022年で発売5周年を迎え,2022年8月現在,国内で42台が稼働しています。さらに,Deep Learningを応用した超解像画像再構成“Precise IQ Engine(PIQE)”は,Aquilion Precisionによってもたらされた高精細CT画像をAquilion ONEで実現する新たな技術で,空間分解能の向上のみならず優れたノイズ低減効果,粒状性の維持効果が得られ,ADCTのさらなる低侵襲化と高精細な画像の描出が期待されます。

本シンポジウムでは,当社の進める画像の高精細化とさらなる被ばく低減に向けた取り組みの結果,生み出される新たな知見についてご講演いただきます。今回も感染防止の観点から完全オンラインでの開催となりましたが,新たなグローバルスタンダードCTの実力や可能性を共有する機会となれば幸いです。


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