技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2020年1月号

DR System Update 2020

“octave”が実現するX線TVシステムの高画質・低線量検査

高画質・低線量検査コンセプト“octave”は,新たに開発したリアルタイムの画像処理技術と低線量検査のためのアイテムにより,高画質と低線量の両立を高い次元で実現し,パルス透視のフレームレートにかかわらず,従来より最大65%の被ばく低減(当社比)を可能とする。特に,従来から当社が採用していたノイズ低減フィルタ(Super Noise Reduction Filter:SNRF)やデジタル補償フィルタ(Digital Compensation Filter:DCF)を高いレベルで進化させており,従来より1オクターブ上の診断・治療に最適な線量と画質のバランスを提供することで,安心・安全な検査をサポートする。

■多重解像度SNRF

画像内の必要な信号とノイズを計算して有用な情報を抽出する当社特許技術を用いることで,微細な構造を残したまま粒状性ノイズを低減するSNRFが進化。画像を複数の周波数帯域に分解し,分解した周波数帯域それぞれに適切な処理を行うことで,広い帯域のノイズ除去を可能にした。多くの検査で重要とされる透視像,撮影像の視認性をさらに向上させ,残像,コントラストの低下なく,高画質を提供する。

■DCF

画像の高輝度部と低輝度部の明るさを自動補正するDCF機能により,X線の吸収差によって生じる画像の黒つぶれ,白とびをリアルタイムに補正して,あらゆる部位で最適な透視像,撮影像を提供する。

octaveは,さまざまな検査に使用される17インチサイズの平面検出器(flat panel detector:FPD)を組み合せたCアーム型の多目的デジタルX線TVシステム「Ultimax-i」(図1)およびオーバーテーブルチューブ型のデジタルX線TVシステム「ZEXIRA」に搭載している。

図1 Cアーム型の多目的デジタルX線TVシステムUltimax-i

図1 Cアーム型の多目的デジタルX線TVシステムUltimax-i

 

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