技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2026年5月号

US Today 2026

ポータブル超音波診断装置「Aplio air」の特長と臨床応用

稲見隆太郎[キヤノンメディカルシステムズ(株)ビジネスユニット統括センター超音波営業部営業技術課]

■実臨床を支えるアプリケーション機能

近年,超音波診断装置には,高画質化に加え,診療ワークフローを支援するさまざまな実用機能が求められている。特に小型装置では,限られた時間や環境下でも一定の検査品質を確保し,効率的に診断を行えることが重要となる。「Aplio air」は,可搬性と基本性能を両立させるとともに,臨床現場での使いやすさを意識した機能を搭載したポータブル超音波診断装置である。約200gと軽量,コンパクトな筐体でありながら,据置型装置で培われた信号処理技術を応用し,高画質を実現している。腹部,血管,表在,運動器,心臓など,幅広い領域で使用可能であり,2画面表示や針強調機能といった基本的な超音波診断に求められる機能も備えている。これにより,外来や病棟,在宅医療やスポーツ現場など,さまざまな診療環境において柔軟に活用できる超音波診断装置として位置づけられる。
Aplio airは,携帯性と実用性を両立する設計が特長である。プローブにはリニアとコンベックスを一体化したデュアルヘッド構造が採用されており(図1),プローブ交換を行うことなく,表在領域から腹部領域まで柔軟に対応することが可能である。また,バッテリー駆動により,約70分の連続使用が可能であり,外来や病棟,在宅医療など,電源確保が難しい環境でも安心して使用できる。さらに,本体には3年間の保証が付帯しており,日常診療での運用を考慮した設計となっている。

図1 Aplio air本体写真

図1 Aplio air本体写真

 

本装置は,市販のスマートフォンやタブレット端末に専用アプリケーションをインストールすることで使用できる構成となっており,モバイル端末の画面を利用して超音波画像の表示や操作を行うことが可能である。スマートフォンによる高い携帯性を生かした使用や,タブレット端末による視認性を重視した使用など,診療シーンに応じて表示スタイルを選択できる点も特長である。

ソフトウエア面では,Aplio airに搭載されたアプリケーション機能が診療効率の向上に寄与する。「ApliCam」は,スマートフォンやタブレットに搭載されたカメラ機能を用いて,体表のランドマークやプローブ位置,穿刺部位などを画像として記録できる機能である(図2)。超音波画像だけでは補いにくい情報を視覚的に残すことができ,検査記録の補完や教育,多職種間での情報共有に有用である。

図2 ApliCam機能の使用例

図2 ApliCam機能の使用例

 

血管領域では,Auto IMT機能により,頸動脈内膜中膜厚の自動計測が可能である(図3)。検者の操作負担を軽減しつつ,測定時間の短縮が期待でき,スクリーニングから経過観察まで幅広い場面で利用できる。

図3 Auto IMT機能

図3 Auto IMT機能

 

さらに,自動膀胱容量計測機能は,在宅医療において迅速な評価を可能とする(図4)。操作が簡便で短時間に結果を得られるため,検査効率の向上と患者負担の軽減に寄与する。Aplio airは,高画質という基本性能を土台としつつ,実臨床に即した機能を組み合わせることで,超音波診断装置の利用シーンを広げることが期待される。

図4 自動膀胱容量計測機能の表示例

図4 自動膀胱容量計測機能の表示例

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/

TOP