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日並内科・外科医院 
高速化と画質向上を実現したオープンMRIへの更新で検査対応力が向上し当日検査・紹介検査で地域に貢献
マグネットを活用したアップグレードでコストを最適化

2026-9-25


APERTO Lucent Plus 日並内科・外科医院

兵庫県姫路市北東部の香寺町にある日並内科・外科医院は,1979年の開設当初から地域住民のかかりつけ医として幅広い医療を提供してきた。高齢患者が多くを占める同院では,脳梗塞や圧迫骨折,脊椎疾患など,高齢化に伴って増加する疾患への迅速な対応が求められており,その診療を支える重要なインフラとなっているのがMRIである。1992年にMRIを導入して以来,一貫して富士フイルム社製装置を使用してきた同院は,2026年3月に0.4TオープンMRIを「APERTO Lucent Plus」※1へアップグレードした。プライマリケアにおけるMRIの役割と,アップグレードによってもたらされた変化について,日並義統副院長を中心に話を聞いた。

MRI検査の当日提供を実践し地域住民の健康を支えるクリニック

内科・外科を中心に地域に密着した診療を提供してきた日並内科・外科医院は,現在は透析治療や健康診断,内視鏡治療,ヘルペス治療などにも力を入れるほか,在宅・通所リハビリの提供や介護医療院を併設し,地域で求められる医療の提供に取り組んでいる。
高齢患者が全体の約3/4を占める同院では,脳梗塞や圧迫骨折,脊椎疾患など,高齢化に伴って増加する疾患への迅速な対応が求められる。その診療を支える重要なインフラとなっているのがMRIだ。同院では患者を診察した上で必要と判断した場合,その日のうちにMRI検査を実施することを基本としてきた。日並副院長は,「特に緊急性の高い脳梗塞疑いなどでは,MRIで異常が見つかれば速やかに専門病院へ送ることができ,逆に問題がなければ不要な紹介を避けることができます」と,MRIが院内にあることで,「専門医療機関への紹介が必要な患者」と「経過観察が可能な患者」を迅速に見極められる点が大きなメリットだと話す。
同院のMRI検査で最も多いのは腰椎検査で,脊柱管狭窄症や坐骨神経痛,圧迫骨折などが主な適応となっている。そのほか肩関節疾患や頭部検査も日常的に行われ,高齢患者を中心としたプライマリケアを担う中で,MRIを積極的に活用している。

日並義統 副院長

日並義統 副院長

 

既設マグネットの活用でAPERTO Lucent Plusにアップグレード

同院では,1992年に0.2T永久磁石型MRI「MRP-20EX」※2を導入して以来,一貫して富士フイルム社製MRIを使用してきた。2000年に0.3TオープンMRI「AIRIS-Ⅱ」※3,2011年に0.4TオープンMRI「APERTO Lucent」※1へと更新。そして,2026年3月にAPERTO Lucent Plusへアップグレードした。装置の更新について日並副院長は,「1.5T装置*1は性能面では優れていますが,導入・維持コストが大きいことが経営上は負担となります。当院の診療規模や検査件数を考えると,コストパフォーマンスを含めて0.4TオープンMRIが適していると考えます」と語る。
こうして同院が選択したのは,超電導MRIへの刷新ではなく,既設マグネットを活用したAPERTO Lucent Plusへのアップグレードだった。APERTO Lucentは約15年にわたる稼働でシステム制御などのコンピュータ部分は老朽化しつつあったものの,マグネットは再利用が可能であり,この方式でのアップグレードはコスト抑制にもつながる。加えて,更新のための工事期間を短縮できることもメリットだ。装置全体の入れ替えには1か月半ほどの期間を要するところ,同院のアップグレード作業は約10日で完了した。検査休止期間を短縮できたことで,診療への影響を最小限に抑えられたことは大きかったという。
長年にわたり富士フイルム社製オープンMRIを運用し,蓄積してきた運用ノウハウや検査フローを維持しながら,より高い技術による性能向上が得られる点も,同院にとって大きなメリットとなった。

IP-RAPIDによる撮像時間短縮で当日検査への対応力が向上

同院では画像検査装置としてMRIのほか,16列CT,X線一般撮影装置,透視装置などをそろえ,常勤・非常勤の診療放射線技師3名で検査に当たっている。このうちMRIは,腰椎,肩関節などの整形領域を中心に検査を実施している。
アップグレード後,同院が最も大きな変化として実感しているのが撮像時間の短縮である。新たに搭載された高速撮像技術「IP-RAPID」により,従来と同等以上の画質を維持しながら撮像時間を短縮できるようになった。検査を担当する技師は,「例えばMRAでは,以前は15分近くかかっていた撮像が10分ほどに短縮されていて,検査全体としても以前の2/3程度の時間で終えられています」と評価する。これにより当日検査への対応力が向上しており,日並副院長も「撮像スピードが上がったことで,検査数も増やすことができています。当日検査を基本とする中でも,以前はやむなく後日の予約検査としていたこともありましたが,更新後はそれもなくなりました」と述べる。
高齢患者が多い同院では,長時間同じ姿勢を維持することが患者負担につながることから,検査時間短縮は疼痛を訴える患者にとって利点になるだろうと担当技師は言う。また,検査枠に余裕が生まれたことで,異常が疑われる部位に対して追加撮像を行いやすくなっており,担当技師は,「必要だと思ったときにスライスを追加したり範囲を広げたりする心理的な余裕ができ,より多くの情報を提供できるようになっています」と話す。

■症例1:腰椎圧迫骨折

症例1:腰椎圧迫骨折

 

■症例2:肩腱板断裂

症例2:肩腱板断裂

 

■症例3:脳梗塞

症例3:脳梗塞

 

画質の向上とワークフロー改善が日々の診療に貢献

撮像時間の短縮と並んで高く評価されているのが画質向上である。日並副院長は,「脊椎や肩関節の画像が以前よりはっきり見えるようになったと思います」と語る。特に,肩関節では棘上筋腱の描出が明瞭になり,腱断裂の評価がしやすくなったという。また,STIR画像は高信号が明瞭化し,新鮮骨折と陳旧性骨折の鑑別が重要な圧迫骨折の診断においても,「以前は少し判断に迷うことがあったところが,強く光ることで診断しやすくなったと感じています」と日並副院長は話す。担当技師も,「画像はノイズが少なくなって滑らかになったことで,信号がよく出るようになった印象です」と述べる。
頭部のルーチン検査では,FLAIR,DWI,T2WI,T1WI,MRAに加えて,更新後は3D BSIを追加で組み込んだ。1mm程度の薄いスライスで再構成されることから,担当技師は「微小出血の視認性向上が期待できます。一方で感度が高すぎて判断が難しくなるケースもあると考えられ,活用方法を検討していく予定です」と話す。
高画質の取得には,ラテラルスライド機能により肩などの体軸中心から外れた部位でも,簡単に磁場中心に近づけられることも影響している。また,バージョンアップにより位置決めから画像処理,画像表示・保存・転送を1クリックで実施可能な検査自動化ソリューション「AutoExam」も実装された。頭部検査ではこれを活用し,位置決めから撮像後のクリッピングまで自動化している*2。担当技師は,「複数の技師が検査を行うため,フォローアップ検査などでは再現性が向上していると感じています」と述べる。

患者にやさしいオープンMRIでこれからも地域を支える診療を提供

同院が長年オープンMRIを採用し続けている理由の一つが,患者の受容性である。担当技師は,「初めてMRIを受ける患者から『思ったより楽だった』『これなら受けられる』という声も聞かれ,開放感があることで閉所が苦手な患者の検査もできました」と言う。同院では,地域の医療機関からの紹介検査にも対応しており,患者受容性の高い検査と,画質向上による診断しやすい画像を提供できることは,地域医療への貢献の点でも意義が大きい。
日並副院長は今後について,「地域でMRIとCTの両方を備える医療機関は限られており,これらを適切に活用して,今までと変わらず地域の患者のために診療を続けたい」と語る。30年以上にわたり地域医療を支えてきた同院のMRIの進化は,単なる装置更新ではなく,地域完結型医療の質をさらに高める取り組みと言える。高齢化が進む地域社会において,APERTO Lucent Plusへのアップグレードにより実現した迅速で質の高い画像診断が今後も重要な役割を果たしていくだろう。

(2026年7月13日取材)

*1 超電導磁石式全身用MR装置
*2 検査・処理を自動で行うもので,診断を自動で行うものではない。操作者の確認が必要で,最終的に操作者が提示されたスライス位置を確認し,必要に応じて手動で調整する。

 

医療法人社団 日並内科・外科医院

医療法人社団 日並内科・外科医院
〒679-2131
兵庫県姫路市香寺町犬飼502
TEL 079-232-1730
https://hinami-naikageka.or.jp
診療科:胃腸内科,内科,外科,整形外科,腎臓内科,人工透析内科,リハビリテーション科

 

※1 「APERTO Lucent Plus」は「APERTO Lucent」のシステムソフトウェアバージョンV7を搭載したモデルの呼称。販売名:MRイメージング装置 APERTO Lucent 医療機器認証番号:222ABBZX00151000
※2 販売名:日立MRイメージング装置 MRP-20EXシリーズ 承認番号:02B第1491号
※3 販売名:MRイメージング装置 AIRIS-Ⅱシリーズ 認証番号:20800BZZ00211000

 

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