技術解説(富士フイルムヘルスケア)

2019年8月号

Women's Imaging 2019 最新技術

検診から診断まで乳がんケアサイクルに対応したソリューションを提供 超広帯域・高分解能プローブ「4G CMUT」の紹介

高濃度乳房のマンモグラフィでは,マスキング効果で病変の検出が困難な場合があり,スクリーニングツールとして超音波検査が注目されている。日立製作所は,独自のCMUT技術に改良を重ねた「4G CMUTプローブ」をプレミアムクラスの超音波診断装置に接続対応し,超広帯域特性を生かした高画質な画像を実現した。CMUT用Tissue Harmonic Imaging技術を採用し,組織のひずみを画像化する“Real-time Tissue Elastography”や血流の低流速高分解能表示“Detective Flow Imaging”も可能となり,検診から診療まで活用できる(図1)。

図1 CMUTリニア SML44 プローブ(左)とARIETTA 850(右)

図1 CMUTリニア SML44 プローブ(左)とARIETTA 850(右)

 

CMUTの振動膜は薄くて軽く,生体の音響特性に近いため,音響整合層を介在させずに理想的な超短パルス波形と滑らかな超広帯域特性を示し,優れた距離分解能と良好なペネトレーションが得られる。そして,マトリックス状であるため短軸ビーム形状は自動的に制御され,さまざまな表示領域にも高画質な画像となる。
「ARIETTA 850」では,フォーカス設定せずに視野全体の方位分解能のコントラストを向上させる受信技術“eFocusing”と,CMUT技術で三次元方向の分解能向上につながっている(図2)。

図2 4G CMUT による空間分解能の向上

図2 4G CMUT による空間分解能の向上

 

実際の病変では皮膚から筋層まで良好なコントラストが得られ,病変の検索を容易にする(図3)。日立は「存在/形態」「硬さ」「血流」の包括的アプローチで,乳がんケアサイクルに対応したソリューションを提供する。

図3 4G CMUT+eFocusing ON画像

図3 4G CMUT+eFocusing ON画像

 

*ALOKA,ARIETTA,Real-time Tissue Elastographyは株式会社日立製作所の登録商標です。

販売名:CMUTリニア SML44 プローブ
医療機器認証番号:第228ABBZX00154000号
販売名:超音波診断装置 ALOKA ARIETTA 850
医療機器認証番号:第228ABBZX00147000号

 

【問い合わせ先】
ヘルスケアビジネスユニット 診断システム事業部 ブレストソリューション部
http://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/

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