技術解説(GEヘルスケア・ジャパン)
2026年3月号
腹部領域におけるUSの最新技術
革新と確信をもたらす「LOGIQ」超音波診断装置
小沼 雅世[GEヘルスケア・ジャパン(株)超音波本部]
近年の超音波診断装置の進化は目覚ましいものがあるが,その中でも特に,肝治療を安全に行う上で,エコー画像の画質は重要であると考えられている。本稿では,高画質化技術「ACE(エース)」を搭載した,汎用超音波診断装置「LOGIQ E10」シリーズ,「LOGIQ Fortis」シリーズ,「LOGIQ Totus」について紹介する(図1)。
図1 LOGIQ E10シリーズ&LOGIQ Fortisシリーズ&LOGIQ Totus
■常に追究し続ける革新的イメージング
GEヘルスケアは,2018年より「cSound2.0」を搭載し,浅部から深部に至るまで画面全体のフルピクセル,フルフォーカスを実現しており,今回新たに高画質化技術としてACEを搭載した。このACEは,従来の高画質化技術とは異なり,画になる各チャンネルデータの「位相の歪み」に着目した画像処理技術となる(図2)。画になる前のデータから「ノイズ」と「組織信号」の重みづけを行い,リアルタイムに組織信号の強調,ノイズ成分の抑制を行うことで,先進的な画像チューニングにより,さらなる高画質化を遂げた(図3)。鮮明な画質は,病変部の性状評価がストレスなく行え,検者,被検者の負担軽減に直結する。
図2 高画質化技術ACEの原理
図3 高画質化技術ACEの比較画像
(画像ご提供:北海道大学病院・西田 睦先生,工藤悠輔先生,岩井孝仁先生)
■次の一手を生み出すフルフォーカス造影&LI-RADSレポーティングシステム
また,cSound 2.0がもたらす恩恵は,Bモードだけではなく,均一なイメージで描出可能なフルフォーカス造影を実装している。従来は,ターゲットに合わせて適切な位置にフォーカスを合わせる必要があったが,フルフォーカス造影では,病変の位置によらず明瞭に描出可能であり,より確信を持った診断をアシストすることが可能である。また,検者が所見を基に手動で入力することが可能なLI-RADSに準拠したレポートシステムを搭載している(図4)。
図4 フルフォーカス造影&レポーティングシステム
a:フルフォーカス造影エコー(画像ご提供:日本大学病院・小川眞広先生)
b:フルフォーカス造影エコーPenetrationモード(画像ご提供:虎の門病院・齊藤 聡先生)
c:LI-RADSに準拠したレポーティングシステム
■肝脂肪量&肝線維化評価アプリケーション
近年の画像診断においては,悪性度の高い病変を発見するだけでなく,より早期に高危険群を絞り込むことも重要視され始めている。肝線維化を評価するアプリケーションである「SWE(Shear Wave Elastography)」は,客観性や再現性を担保するために複数本プッシュパルスを送信することで,タフな症例における剪断波の安定化,Quality Map表示による剪断波の伝播精度の可視化が可能となった(図5)。
また,超音波の減衰を推定するultrasound guided attenuation parameter(UGAP)は,自動計測アルゴリズムを用いることでROI設定が不要となり,検者間誤差が少なく,より安定した計測を可能としている(図6)。
図5 GEヘルスケア SWE独自の3つの技術:画像化までの流れ
図6 客観性・信頼性の高い UGAP&SWE
■Bモードを用いて血流を可視化する「B-Flow」
一般的に,ドプラの原理を用いた血流表示法が用いられているが,血流感度を向上させるには時間分解能が劣化するトレードオフや,プローブに平行して走行する血管は描出困難な場合があるなどの原理的な制限がある。これらを解決する手法として,Bモードを用いて血流を可視化するGEヘルスケア独自の血流表示B-Flow技術を搭載している(図7)。これにより,複雑な調整やROI(関心領域)の設定が不要で,表示画面全体の血流をリアルタイムに観察することが可能である。さらに,フレームレートを向上させた「Micro B-Flow」では,より低流速を微細に表現可能である(図8)。
図7 B-Flowの原理
図8 Micro B-Flow画像
視野深度8cmでフレームレート112であり,きわめてリアルタイム性が高い。
■AIを用いて開発された利便性向上ツール
限られた時間を最大化するために,AIを用いて利便性が向上するアプリケーションを開発した。
表示されている臓器を自動で認識し,適切なプリセットに切り替える「Auto preset assistant」,表示されている臓器に合わせ,適切なカラー設定を行う「Auto abdominal color assistant」など,さまざまな検査効率化ツールを搭載している(図9)。これらのツールは,機械がその設定を押し付けるのではなく,あくまで検者がカスタマイズしたアプリケーションや血流設定を切り替えることができることも一つのポイントとなっており,指導医の指示に合わせた調整も可能である。
図9 AIを用いて開発された検査効率化ツール
このように,次世代とも言える高画質と,先進的なアプリケーションが多数搭載され,検診から精査まで,再現性,効率性の高い肝診療に寄与することが示唆される。
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン株式会社
〒191-8503
東京都日野市旭が丘4-7-127
TEL:0120-202-021(コールセンター)
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