X線動態画像セミナー(コニカミノルタ)

第3回X線動態画像セミナー[2021年9月号]

開会の辞

幡生 寛人(Professor of Radiology, Harvard Medical School)

X線動態撮影技術は,金沢大学の真田茂先生(現・公立小松大学)と田中利恵先生の研究を基礎としている。この技術をコニカミノルタが約15年の歳月をかけて,呼吸器・生理学の世界的な第一人者である結核予防会理事長の工藤翔二先生とともに育ててきた。私自身は2014年からX線動態撮影の研究に加わった。

2016年の北米放射線学会(RSNA 2016)において,田中利恵先生,慶應義塾大学の山田祥岳先生が,それぞれ研究成果を発表し,Magna Cum Laudeを受賞したことで,X線動態撮影は世界的な注目を浴びることとなった。

現在,X線動態撮影の研究は広がりを見せている。2020年11月3日に開かれたThe Fleischner Society Endorsed Educational Seminarのモーニングセッションでは,工藤翔二先生が“Expectation for Chest Dynamic X-ray(DXR)”をテーマに基調講演し,九州大学の樋田知之先生が“Clinical applications of Chest Dynamic X-ray(DXR)”と題して,横隔膜の動きを中心に,X線動態撮影の研究成果を発表した。

最近では,大阪大学の秦明典先生が,RSNA 2016における山田祥岳先生の発表を踏まえ,“Dynamic Chest X-Ray Using a Flat-Panel Detector System: Technique and Applications”と題して,胸部X線動態撮影の総説をKorean Journal of Radiologyに発表している。

また,九州大学の日野卓也先生は,Vector-Field Dynamic X-ray(VF-DXR)の研究に取り組み,その成果をまとめた“Vector-Field Dynamic X-ray(VF-DXR)using Optical Flow Method”がThe British Journal of Radiologyでin pressとなっている。同じく,日野卓也先生は,“Projected lung areas using dynamic X-ray(DXR)”と題して,European Journal of Radiology Openで発表している。本研究は,肺野面積の経時的変化をとらえることで,呼吸機能検査に類似した情報を得られるか検討したものである。

このように,X線動態撮影は長い期間をかけて大学や企業,臨床家が研究を積み重ねて,一つの技術として完成させた。私も約6年余りにわたって一緒に研究することができ,大変光栄に思う。本セミナーでは,日本全国から多岐にわたるテーマの発表があり,活発な議論が行われることを期待している。ぜひ,「新たなる未来のページ」を皆さんの手で作っていただきたい。

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