図1　MAMMOMAT Inspiration

低被ばく，高画質を実現し，通常の検診・診断用の撮影，ステレオバイオプシー検査，トモシンセシス検査に対応した「MAMMOMAT Inspiration」に，新たな“PRIMEテクノロジー”を搭載した機種が加わりました。
これまで，新しい検査技術の追加には被ばく線量の増加が伴ってきましたが，このPRIMEテクノロジーは，シーメンスが掲げる低被ばくを実現した最新の技術です。
本稿では，最新のPRIMEテクノロジーについてご紹介します。

●PRIMEテクノロジーとは

PRIMEとは，「Progressive Reconstruction Intelligently Minimizing Exposure」の頭文字を取った最新の技術です。この技術は，従来の「MAMMOMAT Inspiration」で撮影した通常撮影の被ばく線量と比べて，最大30％低減することが可能です。

●PRIMEテクノロジーの原理

乳房撮影は，乳腺内の異常を発見するために圧迫した乳房にX線を照射し，透過してきたX線を利用して画像を構成していますが，乳房を透過する際に発生する散乱線によって，画質の低下が生じていました。そのために，撮影台の内部に散乱線除去グリッドを備え，ブッキー撮影を行うことによって散乱線の影響を防いでいます。ただし，この散乱線除去グリッドは，散乱線だけではなく，画像構成に活用可能な透過X線の一部も除去してしまいます。
PRIMEテクノロジーは，この散乱線除去グリッドを使用しないグリッドレス撮影を行うことで，最大30％の線量低減を実現します。
また，乳房内で発生した散乱線は，シーメンス独自のアルゴリズムによってソフトウェアで除去を行い，最適な画像を構成します。
乳房の厚みや乳腺密度によってグリッドレス撮影，散乱線除去グリッド付きのブッキー撮影を自由に選択でき，検診・診断用の撮影を安心して行っていただくことが可能となります。