技術解説(シーメンスヘルスケア)

2015年8月号

Women's Imaging 2015 最新技術[Breast Imaging]

デジタルマンモグラフィ低被ばくテクノロジー搭載「MAMMOMAT Inspiration」

近年,トモシンセシスの臨床的有用性が多数報告されている一方,トモシンセシス撮影を加えたトータル被ばくを考慮することが求められています。本稿では,低被ばくテクノロジー搭載対応機種「MAMMOMAT Inspiration」をご紹介します。

●MAMMOMAT Inspiration

精密検査対応の本機種は,2D撮影にトモシンセシスを追加した場合のトータル被ばく線量とその画像処理のバランスを重視し,感度の良い直接変換方式FDを搭載しました。2013年には,被ばく線量をさらに低減させるため,グリッドレス撮影による低被ばく技術を用いた“PRIME(Progressive Intelligently Minimizing Exposure)テクノロジー”(図1)を搭載しました。

図1 PRIMEテクノロジー

図1 PRIMEテクノロジー

 

(1)トモシンセシスAST(All Slices Tomosynthesis)
2D画像診断にトモシンセシス画像診断を加えることで,診断能を向上させることが重要です。そのために,トモシンセシス撮影時の振り角は±25°(トータル50°)とし,25回の曝射により得られるトモシンセシス画像は,すべてのスライス面でボケることがなくクリアです。2D撮影では,乳房厚約4cmで約1mGy,トモシンセシス撮影の25回曝射のトータル線量は約1.5mGyです。また,ピクセルサイズは,2D撮影時と同じ85μmで行うことができます。

(2)PRIMEテクノロジー
PRIMEテクノロジーは,さらなる低被ばくを追究したデジタルならではの技術です。
乳房に直接X線が入射すると散乱線が発生し,画像ノイズやコントラスト低下の原因となります。散乱線を除去するため,従来はグリッド撮影を行っていましたが,グリッドにて直接X線もカットされ,画像を得るために多くの線量が必要とされていました。PRIMEテクノロジーでは,グリッドを除去して撮影を行うことで,最大30%(当社従来比)の被ばく低減を実現し,散乱線の画像への影響をソフトウェアにて除去します。

●結語

PRIMEテクノロジーでは,日本における診断参考レベル(DRLs 2015)の発表もあり,今後も被ばくと画質の最適化が重要となります。当社でも,画質を落とすことなく被ばくが低減できるよう,引き続き取り組んでいきます。

 

【問い合わせ先】
ヘルスケアマーケティングコミュニケーショングループ
TEL 0120-041-387
URL http://www.siemens.co.jp/healthcare/

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