技術解説(シーメンスヘルスケア)

2022年8月号

Breast Imaging最新技術

リスクを見つめ,リスクにアプローチする

われわれSiemens Healthineersは,1957年から乳房撮影装置の製造,販売を行い,常にイノベーションリーダーとして乳がん診療をサポートしてきた。マンモグラフィ検査の課題とされる乳腺と病変部の重なり,そして被ばくに対して根本的なアプローチで製品の開発,製造,販売を行っている。その集大成がフルデジタル乳房X線撮影装置「MAMMOMAT Revelation」(図1)である。

図1 MAMMOMAT Revelation

図1 MAMMOMAT Revelation

 

●トモシンセシス

マンモグラフィ検査で危惧されるのは,乳腺組織の重なりによる見落としである。Siemens Healthineersのトモシンセシスは“All Slice Tomosynthesis─すべての断面でクリアな画像を─”をコンセプトに開発されている。断層撮影は管球の振り角が大きいほど,また,照射回数が多いほど,被写体の深さ情報が多く,断層厚の薄い画像が得られる。そのためSiemens Healthineersのトモシンセシスでは,振り角±25°,照射回数25回で撮影を行い,ここで得られたプロジェクション画像をボリュームデータとして1mmピッチで再構成することにより,乳腺の正確な状態をクリアなスライス画像で得ることが可能である。

●PRIMEテクノロジー

トモシンセシスは現在,追加撮影としての位置づけとなっており,必然的に被ばくも追加される。MAMMOMAT Revelationは,2D撮影およびトモシンセシスにおいて低被ばく設計となっている。特に2D撮影の“PRIMEテクノロジー”では,グリットレス撮影技術が用いられている。グリットレスにより懸念されるのは,コントラストと鮮鋭度の低下であろう。PRIMEテクノロジーでは,散乱線の影響をソフトウエアで除去し最適な画像処理パラメータを用いることで,平均乳腺線量を最大約30%低減(当社従来比)しながら診断に適した画像を提供できる。PRIMEテクノロジーの2Dおよびトモシンセシス撮影でのトータル被ばく線量約2〜2.3mGyは,2D1方向の診断参考レベルとされる2.4mGyを下回る画期的な数値と言える。

Siemens Healthineersは,今後も先進的なテクノロジーでリスクにアプローチし続ける。

 

【問い合わせ先】
コミュニケーション部
TEL 0120-041-387
URL https://www.siemens-healthineers.com/jp/

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