技術解説(ザイオソフト)
2026年8月号
腎部分切除に特化した手術支援アプリケーション「REVORAS腎切除解析」の技術的特徴
林田麻衣子(ザイオソフト株式会社マーケティング部)
はじめに
近年,ロボット支援手術や腹腔鏡下手術などの低侵襲治療が急速に普及し,術前における解剖構造の精密な把握と手術プランニングの重要性はいっそう高まっている。こうした背景を受け,医用画像処理ワークステーションに求められる役割は,従来の読影補助にとどまらず,術前シミュレーション・術中画像参照および術後フォローアップを包括する診療支援ツールへと拡大している。
診療報酬の面でも,こうした動きを後押しする改定が続いている。K939-1「画像等手術支援加算(ナビゲーションによるもの)」の算定件数は増加を続けており(図1),令和8年度診療報酬改定においては内視鏡手術用支援機器を用いた腎部分切除術が新たに同加算,2000点の算定対象として追加された2)。これにより,腎がんに対するロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN)における3D画像を活用した手術支援が,診療報酬上でも正式に評価される体制が整ったと言える。
図1 K939-1「画像等手術支援加算」の算定推移1)
「Ziostation REVORAS」について
ザイオソフト株式会社が開発したZiostation REVORAS(以下,REVORAS)は,「Smart Imaging ─“みる”をシンプル,スマートに」をコンセプトに,2022年に発売した医用画像処理ワークステーションである。AI*を活用した臓器・血管の自動抽出,自動計測機能を搭載し,業務の効率化および標準化に貢献しながら,術前シミュレーションから術中の画像参照まで,幅広い臨床用途での活用が広がっている。
「腎切除解析」の特長
REVORASの腎切除解析は,腎がんに対する腎部分切除術の術前シミュレーションに特化したアプリケーションである。造影CTデータを用いて,腎臓,副腎,腎動静脈,尿管,腹部動脈など,術前に把握が必要な解剖構造をワンクリックで自動抽出する。動脈相と静脈相の非剛体位置合わせを行うことで,より精度の高い3D画像を生成する点も特長である(図2)。
また,腫瘍に対して1mm単位で切除マージンを設定し,切離面に現れる構造物を事前にシミュレーションする機能を有している。腎動脈の支配領域に基づいた阻血領域の同定も可能であり,術中における腎動脈の遮断範囲を術前に可視化することで,より安全なプランニングを支援する。さらに,R.E.N.A.L.スコアを自動算出する機能も搭載しており,従来行っていた手計測と比較して大幅な業務効率化が期待される。
術中活用においては,事前に作成した3D画像を施設の運用に応じて手術ロボットのコンソール画面に表示し,リアルタイムに参照することも可能である。REVORASを用いた術前シミュレーション・術中ナビゲーションが,温阻血時間の短縮やtrifecta達成率の向上につながる可能性を示す報告3)もあり,実臨床における有用性が示されている。
図2 REVORASの腎切除解析画面
おわりに
令和8年度診療報酬改定を機に,腎部分切除術における手術支援画像の活用はさらに加速することが予想される。ザイオソフトは今後も臨床現場のニーズに真摯に応え,REVORASが患者の安全な診断・治療に貢献するワークステーションとして進化し続けられるよう,開発に努めていく。
●参考文献
1)NDBオープンデータ.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html
2)厚生労働省 : 令和8年度診療報酬改定について別紙1-1 医科診療報酬点数表.
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655178.pdf
3)宮本俊輔, 池田健一郎, 畑山智哉, 他 : RAPNにおける3D画像ワークステーションREVORASを用いた術前シミュレーション及び術中ナビゲーションの検討. Japanese Journal of Endourology and Robotics, 37(1): 152-157, 2024.
*本記事中のAI技術については,開発設計時にAI技術(ディープラーニング)を使用しており,市場にて学習し変化することはありません。
一般的名称:汎用画像診断装置ワークステーション
販売名:ザイオステーション レヴォラス RL
認証番号:304ABBZX00001000
