ITEM2026 PSP ブースレポート
クラウドPACS「NOBORI」を中心にAIソリューションなどオールクラウドのエコシステムを提案
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2026-4-30
PSPブース
PSPは,「クラウドPACS×次世代AIで,現場を動かす。AIソリューションで,診療の精度&効率アップ」というテーマを掲げて出展した。同社は,クラウドPACS「NOBORI」を中心に,ビューワ「NOBORI Viewer」や画像診断支援AIソフトウェアを提供する「NOBORI PAL AI」,RIS/治療RIS,統合検査情報,線量管理システム「MINCADI」,地域医療連携サービス「TONARI」,PHRなどのサービスをオールクラウドで提供するエコシステムを構築している。長年にわたり信頼性の高いクラウドサービスを提供し,医用画像管理にかかるコストを抑える経済性,サイバー攻撃に対する堅牢性・安全性が評価され,着実に導入施設を増やしている。ITEM 2026では,これらのクラウドサービスで強化された機能や,新たに提供を開始した画像診断支援AIソフトウェアなどを紹介した。
クラウドPACS「NOBORI」を中心に各種のクラウドサービスを提供
●NOBORI-CUBEによるオールクラウドの医療情報エコシステム
同社が提供するクラウドサービスのコア技術となるのが専用アプライアンス「NOBORI-CUBE」である。NOBORI-CUBEは,PACS,レポートシステム,RIS/治療RIS,統合検査情報,検像などを含む各システムを運用するためのゲートウェイやコアサーバ,インターフェイスサーバなどの機能をコンパクトな筐体に収めた専用アプライアンスサーバ。医療機関はNOBORI-CUBEを設置することで,クラウドサービスを利用できるようになる。導入に際してサーバ類を個別に購入する必要がなく,初期費用を大幅に抑えられる。さらに,保守はPSPが一元管理するため,導入施設側の負担も軽減する。各サービスのデータは,東日本と西日本のデータセンターで多重化して管理しており,自然災害があった場合でもデータを保全する。
各種のクラウドサービスを利用するための専用アプライアンス「NOBORI-CUBE」
●新たに4つのAIソフトウェアを追加したNOBORI PAL AI
AIソフトウェアのプラットフォームであるNOBORI PAL AIは,画像診断の質や効率を向上する4つのソフトウェアをラインアップに追加した。追加されたのは,胸部CTから冠動脈石灰化を解析する「AVIEW CAC」(Coreline Soft),造影CT画像から膵臓の関心領域の検出・測定が可能な「DUOnco Pancreas」(Intrasense,薬機法未承認),胸部X線画像の肺がん検診スクリーニングソフトウェア,さらにMRIの画像再構成ソフトウェア「SwiftMR」(AIRS Medical Japan)。ユーザーは使用するソフトウェアを選択し,その利用料を支払う,SaaS型サービスとして提供される。
AIソフトウェアのプラットフォーム「NOBORI PAL AI」
「NOBORI PAL AI」では新たに4つのAIソフトウェアが利用可能
●読影を止めないシームレスな連携を実現した NOBORI Viewerの「FWF解析表示」
読影用ビューワのNOBORI Viewerは,前回のITEMで発表されたキヤノンメディカルシステムズとのアライアンスにより実装されたFWF解析表示のさらなる進化をアナウンスした。同機能は,NOBORI Viewerのメニュー上の「FWF解析表示」ボタンをクリックするだけで,キヤノンメディカルシステムズの読影支援ソリューション「Abierto Reading Support Solution」の解析用ビューワ「Findings Workflow」がシームレスに展開する仕組みで,読影ワークフローを中断させることなくAIによる解析結果を確認できる。前回のITEMでは,骨領域の「Temporal Subtraction For Bone(TSB)」が主な対応アプリケーションだったが,ITEM 2026ではVUNO社の胸部CT画像診断支援ソフトウェア「VUNO Med-LungCT AI」に対応し,肺結節の解析が可能になったことをアナウンスした。視認性の優れた専用のレイアウトで,病変候補をマーキングした画像が表示される。ブース内で行われたデモンストレーションでは,結節の自動ペアリング機能と,経時的なサイズの自動計測機能が来場者の関心を集めた。過去画像と現在画像を自動でペアリングした上で,結節がどの程度増大しているかを視覚的・定量的に示す。さらに,所見レポートの下書き生成までの一連の処理を読影フローを中断せずに行える。単に解析結果のマーキングのみでは結節の増大の程度までは把握しにくいが,この機能を活用することにより診断精度と業務効率の双方を向上できる。
「NOBORI Viewer」の「FWF解析表示」機能は胸部CT画像診断支援ソフトウェア
「VUNO Med-LungCT AI」にも対応
●RIS/治療RIS,線量管理システムも専用サーバ不要でメンテナンスコストを抑えた運用が可能
RISのクラウド化はITEM 2025で発表されたが,今回はさらに治療RISもNOBORI-CUBEで運用できるようになったことを紹介した。RISと治療RISを合わせてクラウド上で統合管理できる体制が整い,放射線診断部門と放射線治療部門が同一のクラウド基盤を共用できる。ハードウェアなどの初期費用を抑えた導入が可能になるほか,保守管理の省力化・負担軽減も大きなメリットとなる。
クラウド型線量管理システム「MINCADI」も,デモンストレーションが行われた。2020年4月からの医療放射線被ばくの線量管理・記録義務化を機に,各社から線量管理システムが相次いでリリースされ,普及していったが,現在その更新時期を迎えており,他社システムからの乗り換えニーズが高まっている。MINCADIは,複数施設のデータを比較しながら自施設の線量標準化を進めることが可能。他施設との比較データを基に線量の妥当性を客観的に評価し,最適化につなげることができる。また,NOBORI-CUBEのシステムがあれば追加費用を抑えて導入でき,SaaS型の定額課金により将来にわたって見通しやすい予算管理が可能である。
RISに続き治療RISもクラウド化されたことをアナウンス
専用サーバ不要で導入できるクラウド型線量管理システム「MINCADI」
●クラウドのメリットを生かした地域医療連携やPHRのサービスにも注力
PSPでは,クラウドのメリットを生かした地域医療連携やPHRなどのサービスにも注力している。
地域医療連携サービスTONARIは,放射線部門の検査の予約,検査結果の画像とレポートの参照が可能である。従来,多くの地域医療連携では,施設間の画像データのやり取りはCDなどの可搬媒体で行われてきた。TONARIはオンラインで完結させるシステムで,24時間利用可能。可搬媒体が不要となり,作成業務や媒体導入コストをなくすことができる。また,紹介元施設にとっても必要な時に容易かつ速やかに検査予約・結果参照が可能なため,利便性が高いサービスである。これにより,紹介先施設は画像診断装置の稼働率や紹介率の向上を図れる。
また,PHRは,患者が自身のスマートフォンから画像や検査情報を閲覧・管理できる。ITEM 2026前の3月には,群馬大学医学部附属病院がPSPのPHRによるサービスを開始したことを発表するなど,導入施設数を伸ばしている。
このほかにも,遠隔病理画像診断サービスを提供する「NOBORI for Pathology」も紹介した。遠隔病理画像診断のほかに病理画像のデータストレージ,画像解析AI,コンサルテーションを提供し,CTやMRIなどのモダリティ画像との統合管理も可能だ。日本では病理医不足・地域偏在が深刻な課題となっているだけに,同サービスへのニーズは高いと考えられる。
可搬媒体不要の利便性の高さで画像診断装置の稼働率や紹介率の向上も期待される地域医療連携サービス「TONARI」
導入施設数も着実に伸ばしているPHRサービス
「NOBORI for Pathology」は遠隔病理画像診断などのサービスを提供
●お問い合わせ先
社名:PSP株式会社
住所:〒108-0075 東京都港区港南一丁目2番70号 品川シーズンテラス 25階
TEL:03-4346-3180
URL:https://www.psp.co.jp
