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ITEM2015 ケアストリームヘルス ブースレポート線量管理など機能を強化したDRX-RevolutionやVNAに対応したソリューションを展示

2015-4-27

ケアストリームヘルスブース

ケアストリームヘルスブース

ケアストリームヘルスは,“Next Technology,Next to you”をテーマとして,X線モダリティとヘルスケアITソリューションを中心に展示を行った。X線モダリティでは,2013年の上市以来,欧米はもちろん,日本でも高い評価を受け導入台数を伸ばしている,移動型X線診断装置「DRX-Revolution Mobile X-Ray システム(以下,DRX-Revolution)」をメインとしてCRシステムなどを展示した。また,ヘルスケアITソリューションでは,PACSの「ケアストリーム Vue PACS(以下,Vue PACS)」の最新バージョン12について,病変マネジメントやゼロ・フットプリント・ビューワである「Vue Motion」の機能を紹介した。また,同社では,クラウドサービスについて長年の実績と多くの導入施設を持つが,今後は地域包括ケアシステムの中で病院と診療所などの情報共有や,蓄積された情報(ビッグデータ)の2次利用への対応を進めていることをアピールした。さらに,PACSについては,ベンダーに依存しないシステム設計を行うVNA(Vendor Neutral Archive)をキーワードとして事業を展開しているが,その一環として病院情報システムなどを扱う(株)医療情報システムがブース内に共同出展し,PACSと融合した電子カルテシステムの構築などを紹介した。(4月17日取材)

●X線ソリューション:線量管理機能などを強化したモバイルX線装置「DRX-Revolution」をPR

ブースでは,サイドのパネルデザインの異なる3種類のDRX-Revolutionが展示され,来場者が実際に装置の移動性や,アームやモニタなどの操作性を確かめていた。また,DRX-Revolutionがイルカやウミガメなど大型の海洋動物撮影用として沖縄県・美ら海水族館に導入されたことから,その事例をビデオで紹介した。
DRX-Revolutionは,アメリカのヘルスケア市場調査会社であるMD Buyline社の2015年第1四半期の顧客満足度調査で最高評価を獲得するなど,性能や信頼性,サービス体制などでユーザーから高い評価を受けている。DRX-Revolutionは,移動時には支柱が130cm以下に収まり,駆動サポートモーターによるアシストで片手でも移動できる操作性や,本体と管球側に19インチと8インチのカラー液晶タッチモニタを設置し,撮影しながら移動することなく画像や情報が確認できるなど,撮影のワークフローに配慮した設計などの特長を持つ。また,撮影室と同等の32kWのX線管を搭載しグリッドアライメントシステムによって,さまざまな状況での撮影をサポートすることから,病棟のみならず,救急やICUなどの部門でも導入が進んでいる。機能の追加として,ビューワ機能(Vue Motion)が搭載されたほか,DICOM DRSRに対応して撮影条件だけでなく表面線量などの情報を統合して線量管理システムに送信する機能を実装し,より正確な被ばく線量管理に対応した。
そのほか,クリニック向けで省スペースの設置が可能な小型CR「Vita Flex  CRシステム」などを展示した。Vita Flexは,カセッテの挿入口を水平と垂直の2方向に設置可能で,幅68cm×奥行34cm×高さ45cmで重さ25kgと限られたスペースでも柔軟に設置できる。また,RSNA2014で発表された超音波診断装置「Touch Ultrasound System」やデジタル一般撮影装置「DRX-Evolution」についてもビデオで紹介し,国内での展開についても準備が進められていることを紹介した。

機能や操作性などでユーザーの評価が高いモバイルX線装置「DRX-Revolution」

機能や操作性などでユーザーの評価が高い
モバイルX線装置「DRX-Revolution」

 

 

サイドのパネルデザインを変えたDRX-Revolutionを展示してアピール

サイドのパネルデザインを変えたDRX-Revolutionを展示してアピール

 

クリニック向けの小型CR「Vita Flex CRシステム」も出展

クリニック向けの小型CR「Vita Flex CRシステム」も出展

 

 

●PACS:病変の自動認識や計測に対応したVue PACSの新バージョンを出展

ケアストリームヘルスのVue PACSは,最新のバージョン12(v12)の機能を紹介した。Vue PACSは,内部でボリュームデータを生成することで,自動位置合わせや病変の自動認識などを行えることが特長だが,v12では“Lesion Management(病変管理機能)”に従来の頭部,肺野,肝臓に加えてリンパ節が新たに追加された。病変管理機能は,画像の中の病変部分をクリックすることで,システムが腫瘍部分を自動認識し,長径,短径,ボリュームを自動的に計測して結果をブックマークとして保存する。腫瘍の治療効果判定の国際基準であるRECISTに準拠した評価が可能で,過去の検査から経時的に比較したグラフ表示を含めたレポートの作成までサポートする。
また,HTML5ベースのWebビューワであるVue Motionは,OSを問わず,PCやiPadなどのタブレット端末での画像参照を提供する。新バージョンでは,MIP,MPRの作成,参照に加えてボリュームレンダリング(VR)にも対応した。2×2の画面分割にも対応し過去画像など複数の検査結果を比較した画像参照が可能になる。

「ケアストリーム Vue PACS」の新バージョンの機能を紹介

「ケアストリーム Vue PACS」の新バージョンの機能を紹介

 

自動認識,自動計測で診断を支援する“病変管理機能”

自動認識,自動計測で診断を支援する“病変管理機能”

 

ボリュームレンダリングの作成,表示に対応した「Vue Motion」

ボリュームレンダリングの作成,表示に対応した「Vue Motion」

 

●ヘルスケアIT:連携やデータ活用のためのクラウドやVNAへの対応をアピール

ケアストリームヘルスでは,画像の外部保存だけでなく遠隔読影や地域医療連携で長年の実績を持つ「ケアストリームVueクラウドサービス」を提供しているが,今後のクラウドの方向性として地域医療連携やビッグデータ解析に力を入れていくことをブースで示した。また,同社では,アメリカ市場を中心にベンダーフリーの画像情報管理として“VNA(Vendor Neutral Archive)”への取り組みを進めているが,Vue PACSでも次のバージョンでVNAに対応する予定で開発を進めている。JPEGやPDFなど非DICOM画像のデータも取り込み,Vue Motionなどでデータをそのまま参照できるようなシステムを展開する予定だ。VNAでは表示系だけでなく,データの取り込みを行うインターフェイスが重要で,同社ではPACS以外のシステムと接続してVNAストレージに取り込むインターフェイスも提供する予定となっており,今後,日本市場においてもVNAを積極的に展開する姿勢を示した。ブースでは,院内での各システムとの連携を進める一環として,電子カルテシステムなどを扱う(株)医療情報システムがブース内に共同出展するなど幅広い展開をアピールした。

電子カルテシステムを扱う(株)医療情報システムが共同出展

電子カルテシステムを扱う(株)医療情報システムが
共同出展

ベンダーフリーのデータ管理を行うVNA(Vendor Neutral Archive)をアピール

ベンダーフリーのデータ管理を行う
VNA(Vendor Neutral Archive)をアピール

 

●お問い合わせ先:
ケアストリームヘルス株式会社
住所:〒135-0041 東京都江東区冬木11-17 イシマビル
TEL:03-5646-2500
URL:http://www.carestream.jp

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