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  • ITEM2021 富士フイルム ブースレポート ヘルスケア事業の中核として先進の画像処理やAIなどコア技術を投入した新製品を展示

    2021-5-12

    富士フイルムブース

    富士フイルムブース

    富士フイルムは,企業スローガンでもある「NEVER STOP 医療のいちばん近くから,次代を見つめる。」をテーマに展示を構成した。今回のITEM2021では,富士フイルム/富士フイルムメディカル/富士フイルム富山化学(以下,富士フイルム)のブースに隣接して,2021年3月31日に富士フイルムグループ入りした富士フイルムヘルスケア(旧日立製作所の画像診断関連事業部門),2019年にグループ入りした富士フイルム医療ソリューションがブースを構え,3つのグループを合わせると展示会中最大の展示面積となった。富士フイルムグループの中でもヘルスケア部門は中核事業として位置づけられており,会場においてもその勢いを感じさせた。
    展示では,同社が先進的に取り組んできた画像認識技術や,“REiLI”のブランド名称で開発してきた人工知能(AI)技術が,PACSや3Dワークステーションなどのソフトウエアはもちろん,FPDやX線診断システムなどのモダリティまで,さまざまなシーンで活用されていることを紹介した。FPDでは,薄型フィルムのTFT基板を採用したデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO Flow」を展示,小型サイズ(四切)が加わりラインアップが拡充したことアピールした。そのほか,AI技術を応用した“ポジショニングナビ機能”を搭載したX線診断システム「CALNEO Compact」,高画質と堅牢性や携帯性を両立した超音波診断装置「Sonosite PX」など数多くの製品を紹介した。ヘルスケアITソリューションでは,AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」や3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」の新機能を中心に来場者にアピールした。
    そのほか,ブースでは,新型コロナウイルス感染症対策として,Hydro Ag技術を応用した銀系抗菌剤を使ったアルコールスプレー&クロスなどについても紹介した。

    COVID-19対策のさまざまな製品やソリューションを展示

    COVID-19対策のさまざまな製品やソリューションを展示

     

    ●FPD:“フレキシブルTFT”を採用し高画質と軽量化を実現したカセッテDRの「CALNEO Flow」
    ●X線:AI技術でワークフローを向上する“ポジショニングナビ機能”を搭載したX線診断システム
    ●DR:次世代の外科用Cアーム装置を参考展示
    ●超音波:高画質と使いやすさを追求した新製品「Sonosite PX」を展示
    ●ヘルスケアIT:画像認識技術とAIを融合した“REiLI”の成果を搭載した読影支援ソリューションを展示

    ●FPD:“フレキシブルTFT”を採用し高画質と軽量化を実現したカセッテDRの「CALNEO Flow」

    2020年12月発売の「FUJIFILM DR CALNEO Flow」は,センサーパネルに薄型フィルムのTFT基板を採用したデジタルX線画像診断装置(カセッテDR)で,ITEMは今回が初展示となる。同社のカセッテDR・CALNEOシリーズは,画像読取技術ISS(Irradiation Side Sampling)方式によって高感度を実現しているが,CALNEO Flowでは新たにセンサー部分に薄型フィルムのTFT基板(フレキシブルTFT)を採用した。フレキシブルTFTは,スマートフォンやタブレット端末の液晶として使われるもので,従来のガラス素子からフィルム素材になることで,軽量化と高画質化が可能になった。
    CALNEO Flowでは,蛍光体に温度や湿度などの環境変化に強いガドリニウムオキサイドサルファ(GOS)と,X線エネルギーの変換効率が高いヨウ化セシウム(CsI)を採用した2種類をラインアップ。パネルサイズは発売当初は14×17インチ,17×17インチの2種類だったが,今回,新たに10インチ×12インチの小型サイズ(四切)の「CALNEO Flow C12」が加わった(5月13日から発売)。
    CALNEO Flow C12は,蛍光体にCsIを採用して高いX線変換効率を持ち,低線量が求められる小児撮影に適している。また,四切サイズで,新生児の撮影や頭部や四肢など整形領域での活用も期待される。
    CALNEO Flowは,富士フイルムの抗菌コート技術である“Hydro Ag”で全面をコーティングされており,銀系抗菌材を含んだ超親水性膜によって汚れが落としやすく清潔を維持できるのも特徴だ。

    「CALNEO Flow」に採用された薄型フィルムのTFT基板(フレキシブルTFT)

    「CALNEO Flow」に採用された薄型フィルムのTFT基板(フレキシブルTFT)

     

    新たに追加された四切サイズの「CALNEO Flow C12」

    新たに追加された四切サイズの「CALNEO Flow C12」

     

    ●X線:AI技術でワークフローを向上する“ポジショニングナビ機能”を搭載したX線診断システム

    X線モダリティでは,2020年10月に発売したクリニック向けX線診断システム「CALNEO Compact」を展示した。CALNEO Compactは,コンパクト,高画質,使いやすさをポイントに開発された製品で,装置の設置スペースの限られるクリニックや小規模施設での利用を想定している。
    省スペースでは,高電圧発生装置を臥位撮影台の下に配置,X線管保持装置は臥位撮影台に隣接して取り付けられたレール上を動くことで,コンパクト化している。また,X線管球部とカセッテトレイが同期して動くことで撮影時の位置決めをサポートし,臥位テーブルを半透明にすることでカセッテトレイの位置を視認しやすくするなど使い勝手にも配慮されている。
    さらに,CALNEO CompactではAI技術の1つであるディープラーニングを用いて設計されたポジショニングナビ機能を搭載している(オプション)。ポジショニングナビ機能は、コリメータ部に取り付けたカメラで撮影した被検者の映像と,事前に設定した撮影メニューと整合性をチェックし,整合しない場合に撮影前にアラートを出す機能だ。操作者は,アイコンで示されるアラートを確認し,不一致の場合にはライブビデオを確認して,被検者のポジショニングをチェックし修正することができる。頭部,胸部,膝に対応しており,これによってポジショニングの不整合による再撮影を防ぐことが期待される。
    CALNEO Compactでは,富士フイルムのカセッテDR「CALNEO Smart」,画像処理ユニット「Console Advance」と連携することで,“Virtual Grid処理”や“ダイナミック処理”による高画質,低線量の撮影が可能になる。そのほか,Console Advanceの画面にCALNEO CompactのX線操作部を集約することで,撮影時の各種条件の設定と撮影後の画像確認が同一モニタ上で可能になり,検査のワークフローの効率化が図れることをアピールした。

    コンパクトで高画質,使いやすさを追究したX線診断システム「CALNEO Compact」

    コンパクトで高画質,使いやすさを追究したX線診断システム「CALNEO Compact」

     

    コリメータ部のカメラ(左側)の映像とAI技術で撮影ワークフローを支援

    コリメータ部のカメラ(左側)の映像とAI技術で撮影ワークフローを支援

     

    ●DR:次世代の外科用Cアーム装置を参考展示

    富士フイルムは,X線の静止画像で培ってきた画像処理技術を動画像に生かした外科用Cアーム型デジタル透視システム「COREVISION」シリーズを2018年に発売した。COREVISIONでは,動画用FPDに高画質のカセッテDRで定評のあるISS方式を採用,X線動画処理エンジン“ダイナミックコアエンジン”と組み合わせることで,高鮮鋭で高コントラストの動画像の提供を可能にして高い評価を受けている。
    今回のITEM2021のブースでは,新たなCアーム型のX線透視システムとして,“動画カセッテDR搭載X線透視診断装置”(薬機法未承認品)を参考展示した。同装置の特徴の1つは,手術室など清潔が要求される空間での使用を考慮しワイヤレス化を図ったことだ。Cアームユニットはバッテリー駆動とし,モニタユニットとの間も無線化(Wi-Fiと干渉しない周波数帯を使用)することでコードレスを実現。曝射スイッチのフットペダルともBluetooth接続し,Cアーム部分の配線などコード類も装置内に収めて清潔性を高めた。また,パネルはカセッテタイプで17×17インチ,14×17インチ,10×12インチの3種類のサイズを用意し,1台の装置でパネル部分を取り替えて利用できる。カセッテパネルは静止画撮影も可能でフレキシブルなCアームの可動性と合わせて,動画から静止画撮影までを1台の装置でカバーできるのも特徴だ。さらに,装置の軽量化や運転性能にも配慮し,手術室の狭いスペースでも使いやすい装置になっていることを紹介した。

    参考展示された動画カセッテDR搭載X線透視診断装置(薬機法未承認品)

    参考展示された動画カセッテDR搭載X線透視診断装置(薬機法未承認品)

     

    ワイヤレス化や軽量化で手術室などの処置での使い勝手を向上

    ワイヤレス化や軽量化で手術室などの処置での使い勝手を向上

     

    ●超音波:高画質と使いやすさを追求した新製品「Sonosite PX」を展示

    超音波診断装置では,2021年1月に発売された,Point-of-care US(POCUS)に対応し,高画質で使いやすさを追究した「Sonosite PX」を展示した。Sonosite PXは,富士フイルムの画像処理技術とFUJIFILM Sonositeの携帯性や堅牢性を実現するデバイス技術を組み合わせて,高画質ながらコンパクトで使いやすい装置を実現した。Sonosite PXに搭載された画像処理技術“Clear Visualization”は,富士フイルムが長年X線画像で培ってきた画像処理技術を応用し超音波に特化して開発した画像処理アルゴリズムで,ノイズを抑えてコントラストを強調し組織の境界や微細な構造物を明瞭に描出することを可能にした。また,プローブは超音波を効率よく被写体内に入射させる音響整合層,受信した超音波の変換効率を向上させる単結晶材料を採用(セクタープローブP5-1)した圧電素子などを組み合わせて,高感度化と深さ方向の解像度の向上を実現している。特にリニアプローブでは,富士フイルムのレンズ技術を搭載し高画質を図っているのも特徴だ。
    ユーザビリティでは,専用スタンドと組み合わせることで本体の操作パネルとモニタの高さや角度を簡単な操作で容易に調整でき,ベッドサイドや手術室など狭い操作空間でも最適な位置にセッティングして,無理のない体勢で検査や処置が行える。本体のレイアウトも,使用頻度の高いボタンやスイッチをまとめて配置するなど,ユーザーの使いやすさに配慮されている。また,ボタン類は凹凸やすきまのない構造になっており,清掃がしやすく感染リスクの低減にも寄与する。
    そのほか,Sonosite PXでは,穿刺時の針先の視認性を向上させる“Auto Steep Needle Profiling”,肺エコーの評価・管理に適した画像プリセットを搭載するなど,救急や麻酔科,整形外科での検査や処置に活用できる多彩な機能を搭載している。

    高画質と堅牢性を両立した超音波診断装置「Sonosite PX」

    高画質と堅牢性を両立した超音波診断装置「Sonosite PX」

     

    操作パネルは凹凸やすきまをなくして清潔性を向上

    操作パネルは凹凸やすきまをなくして清潔性を向上

     

    富士フイルムのレンズ技術を搭載して高画質化を図ったリニアプローブ

    富士フイルムのレンズ技術を搭載して高画質化を図ったリニアプローブ

     

    ●ヘルスケアIT:画像認識技術とAIを融合した“REiLI”の成果を搭載した読影支援ソリューションを展示

    ヘルスケアITソリューションでは,富士フイルムの「REiLI」のブランド名で開発してきた技術を搭載した,読影ビューワ「SYNAPSE SAI viewer」や3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」の新機能を中心に展示を構成した。

    〈SYNAPSE VINCENT〉
    SYNAPSE VINCENTは,2020年8月にリリースされたV6.1からREiLIブランドで開発されたAI技術を活用して設計された,“膵臓自動抽出機能”“MRI腰神経抽出機能”“脳区域解析機能”といった新しいアプリケーションが搭載されている。ITEM2021の展示では,最新のV6.3で追加されたアプリケーションとして,“脳解析”ソフトウエアと,“フォトリアリスティック・レンダリング”を紹介した。脳解析ソフトウエアでは,1) 頭部CT画像の高信号および低信号領域の強調表示,2) 低信号領域を定量化してASPECTSの算出を可能にする。1)では,頭部の単純CT画像から高信号領域と低信号領域を認識し色をつけて強調表示する。一般的にCT画像の脳の高信号領域は出血を,低信号領域は虚血を疑い,急性期脳卒中診療では治療方針の決定のための情報として用いられる。2)では,低信号領域として検出された領域を定量化し,“ASPECTS”を自動で算出する。ASPECTSでは,10の区域に分けた中大脳動脈(MCA)領域の各区域の虚血の有無や広がりを評価し,減点方式でスコア化し,血管内治療(静注血栓溶解法)の適否の判断に用いられる。脳解析ソフトウエアでは,MCA領域を自動で10区域に分割し色分けして表示し,低信号領域をスコアリングして医師のASPECTS算出を支援する。脳解析ソフトウエアは,迅速な診断と治療が求められる救急現場での医師の診断支援や迅速な治療をサポートすることが期待される。
    また,フォトリアリスティック・レンダリングは,影のつけ方や光線の処理によって,よりリアルに近い3D表現を可能にする画像処理技術だ。VINCENTでは,専用の画像処理プロセッサ(GPU)を使わずに処理できるのがポイントだ。ブースでは,膝関節解析ではMRIから半月板や軟骨の自動抽出をできるが,その画像についてフォトリアリスティック・レンダリングで処理した画像を紹介し,半月板の状態や軟骨の欠損をよりリアルな画像を使って患者説明や研究,診断にも利用できることが期待される。

    SYNAPSE VINCENTの脳解析ソフトウエアの高信号領域の強調表示

    SYNAPSE VINCENTの脳解析ソフトウエアの高信号領域の強調表示

     

    脳解析ソフトウエアに搭載された低信号領域の検出とASPECTSの算出

    脳解析ソフトウエアに搭載された低信号領域の検出とASPECTSの算出

     

    SYNAPSE VINCENTの“フォトリアリスティック・レンダリング”表示

    SYNAPSE VINCENTの“フォトリアリスティック・レンダリング”表示

     

    〈SYNAPSE SAI viewer〉
    AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」は,PACS「SYNAPSE」の読影ビューワとして,AI技術を応用した支援機能やさまざまなアプリケーションを利用できるAIプラットフォームとして2019年7月に発売された。2020年6月には,肺結節の候補を自動検出する“肺結節検出機能”,その性状を分析し医師の所見分作成を支援する“肺結節性状分析機能”の提供を開始した。肺結節検出機能は検出した結節の候補を画像表示領域のスライダーバーにマーク(タグ)として表示。このタグをクリックすることで結節候補のあるスライスを直接表示できる。結節の検出では,CT画像の三次元情報に基づいて解析するため,スライスだけでは識別が難しい血管に付着した結節などの検出も可能になっている。また,肺結節性状分析機能では,指定された結節のサイズ・辺縁部・内部構造などの性状分析を行い結果を提示,その結果を基に結節に対する所見文の候補を複数提示して医師の所見作成を支援する。
    今回の展示では,2020年11月に発売されたバージョン1.4に搭載された新機能である“フォローアップビュー”機能を紹介した。フォローアップビューは,過去の画像所見との比較読影を支援する機能で,指定した病変が含まれる過去画像に対してスライスの位置合わせ,拡大率の調整などを自動で行い,面積や長径の計測結果を含めた病変一覧,推移を観察できるグラフ表示,CTから作成したレイサム画像での病変位置表示などが行える。比較読影の際の読影医の作業をAI技術を応用して支援する機能だ。

    読影支援の機能を搭載したAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」

    読影支援の機能を搭載したAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」

     

    SYNAPSE SAI viewerの新機能“フォローアップビュー”表示

    SYNAPSE SAI viewerの新機能“フォローアップビュー”表示

     

    ●お問い合わせ先
    社名:富士フイルムメディカル株式会社 営業本部マーケティング部
    住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル
    TEL:03-6419-8033
    URL:http://fms.fujifilm.co.jp/