バイエル ソリューションレポート
2026年11月号
2026年9月11日(金) 18:30 -19:30 山形国際ホテル 5F 蔵王
第3回 Centargo Connect Centargo でつながる、造影CTの知見と可能性
User Seminar
Centargo ならではの注入法・プロトコルに焦点を当て、日常診療での活用経験や今後の可能性について、活発な意見交換が行われた。
講演1
冠動脈を超えて:心臓CTにおける非冠動脈アセスメントのための造影法
演者 |
座長 |
造影剤と生食を自在にコントロールできる
心臓CTは大きく進化している。現在では、心電図非同期撮影であっても、実効線量1.3mSvという低被曝で、大動脈解離だけでなく冠動脈まで評価できる症例を経験している。今後は、撮影者の経験や専門知識に大きく左右されることなく、安定して心臓CTを実施できる時代が来ると考えている。
当院では、検査目的に応じて造影剤と生食を柔軟に注入できるCentargoを、心臓CTに適した造影剤注入器と評価し、「適切な心臓CTの実施」「経済性」「安全性」を期待して2024年11月に導入した。
導入後は、すべての検査で十分な生食を注入し、ルート内や鎖骨下動脈のデッドスペースを生食で置換することで、造影剤によるアーチファクトも低減している。
経済性の面でも、少量の造影剤で撮影可能な低管電圧撮影において、必要量のみを使用できるため、造影剤の無駄を削減できている(図1)。従来、シリンジ製剤を使用していた際には、シリンジ内に残った再利用できない造影剤を廃棄することに、医療者として少なからず罪悪感を感じていた。さらに、安全性の面では、搭載されている2種類のエアセンサーによって空気塞栓症のリスク低減が図られている。
ここからは、Centargoを用いた非冠動脈アセスメントにおける具体的な造影法を紹介する。
図1 当院の心臓造影CT造影条件(冠動脈相)
多段階同時注入プロトコルの活用
精確な左室壁運動評価には、心内腔と心筋外壁の輪郭を明瞭に描出することが重要であり、そのためには右心系と左心系を適切に濃染させる必要がある。そこで一般的に用いられているのが、台形クロス注入法である。
Centargoでは、最大6段階まで任意に設定できる多段階注入機能を用いることで、造影剤から生食へ段階的に移行させることができる(図2)。一見するとプロトコル設定に手間がかかるように思えるが、一度プロトコルを作成してしまえば、実際の検査では大きな負担にはならない。
この方法で撮影した画像は、壁運動評価だけでなく、弁の動態や肺塞栓の評価においても、従来の台形クロス注入法と遜色のない画像を得ることができている。
Centargoのもう一つの強みは、検査中に必要に応じて造影剤を追加投与しやすい点にある(図3)。
当院では、遅延造影のオーダーがない場合でも、冠動脈相を撮影し、その画像で心筋の肥厚など、遅延造影による追加評価が必要と判断された場合には、医師と連携して、そのまま造影剤を追加投与し遅延造影CTを撮影している。従来であれば、後日MRIを追加して評価していた症例についても、Centargo導入後は、冠動脈相から必要に応じて遅延造影CTまでを一連の検査として実施できるようになった。
その結果、心筋遅延造影CTを実施する機会も増えている。
図2 当院における多段階注入法(Centargoのプロトコル設定画面の抜粋)
冠動脈相からそのまま遅延造影へ
Centargoのもう一つの強みは、検査中に必要に応じて造影剤を追加投与しやすい点にある(図3)。
当院では、遅延造影のオーダーがない場合でも、冠動脈相を撮影し、その画像で心筋の肥厚など、遅延造影による追加評価が必要と判断された場合には、医師と連携して、そのまま造影剤を追加投与し遅延造影CTを撮影している。従来であれば、後日MRIを追加して評価していた症例についても、Centargo導入後は、冠動脈相から必要に応じて遅延造影CTまでを一連の検査として実施できるようになった。
その結果、心筋遅延造影CTを実施する機会も増えている。
図3 当院における心筋遅延造影CT(Centargoのプロトコル設定画面の抜粋)
講演2
膵臓造影CT検査における新しい造影剤注入法の考案
演者 |
座長 |
新手法に至った背景
現在の膵臓CTでは、「体重換算を用いた注入時間固定法」が広く用いられている。しかし、この方法では低体重患者における濃染不足が課題となっているにもかかわらず、多くの施設では確立された造影手法として使用されているのが現状である。体重換算法では、必要ヨード投与量は体重45~65kgまでは直線的に増加する。しかし、65kg以上の高体重患者では、体重換算法で算出される造影剤量が過投与となる傾向を示す。
一方、45kg以下の低体重患者では、算出される造影剤量が不足するという現象が生じる。これらの要因として、従来の検査法である「注入時間固定法」では、体重に応じて注入速度が変化すること(図1)によって生じるボリューム効果が影響している可能性が考えられる。
注入速度が一定以上であれば、注入された造影剤は血流を押しのけて心腔内へ取り込まれ、血液による希釈の影響を受けにくいため、造影効果が保たれる。一方、注入速度が低下すると、血流に押し戻されることで心腔内へ取り込まれる造影剤が減少し、造影効果も低下する。
このことから、低体重患者では、注入速度を高く固定することにより、造影効果を改善し、安定させることができるのではないかと考えた。
これらの問題点を解決するため、Centargoを用いた「造影剤と生食の同時注入法」を検討し、がん患者において決して少なくない低体重患者に対する有用性を検証した。
図1 当院における造影剤選択(シリンジ製剤を用いるインジェクタの場合)
新手法の検証結果
新しい手法では、Centargoの造影剤と生食の同時注入機能を活用し、「体重換算を用いた注入時間固定法」を維持しながら、注入速度を4.5 mL/secに固定した。
すなわち、注入速度を固定したまま、造影剤と生食の同時注入割合を変更することで、患者ごとに必要な造影剤量を調整する手法である(図2)。
その結果、特に低体重群においてCT値の改善が確認された(図3)。
実際の医療現場では、Centargoに組み込んだ体重別プロトコルを用いることで、簡便に検査を実施できる運用としている(図4)。
「膵臓ダイナミックCT」において、体重換算を用いた注入時間固定法に造影剤と生食の同時注入を併用することで、低体重患者を含め、より安定した造影CT検査を提供できると考える。
図2 Centargoの同時注入機能の活用例(注入速度4.5mL/sec固定)
図3 従来法(図1)と注入速度固定法(図2)の体重別CT値の変化
高体重群よりも低体重群でCT値に差が見られる(○印)
図4 Centargoに組み込んだ注入時間固定法のプロトコル(左:元データ)
管理医療機器 / 多相電動式造影剤注入装置
販売名 / Centargo CTインジェクションシステム
認証番号 / 302AABZX00091000
管理医療機器 / 造影剤用輸液セット
販売名 / Centargo ディスポーザブルセット
認証番号 / 303AABZX00003000
PP-M-CEN-JP-0685-05-10
【製品に関する問い合わせ先】
バイエル薬品株式会社 ラジオロジー事業部
TEL0120-609-040
https://radiology.bayer.jp/
